隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

隈自身が選んだ建築を、本人の章解説・作品解説で鑑賞
最先端の映像作品や360度VR、国立競技場のスタディ模型も公開

米TIME誌にて「2019年世界で訪れるべき最も素晴らしい場所100選」に選ばれた《V&Aダンディー》や《国立競技場》の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾(1954〜)。1964年の東京オリンピック時に見た丹下健三の国立屋内総合競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を志し、これまで20か国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、毎日芸術賞、芸術選奨文部科学大臣賞、国際木の建築賞(フィンランド)、国際石の建築賞(イタリア)など、多数の賞を受賞している。

本展では、世界各国に点在する隈作品の中から公共性の高い68件の建築を、隈が考える5原則「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」に分類し、建築模型や写真やモックアップ(部分の原寸模型)などにより紹介。その他、映像作品、前庭に展示されるトレーラーハウスを合わせ、合計74件でその世界を紹介する。

見どころは、隈自身が選んだ建築を、本人の章解説や作品解説で鑑賞できる点。また、高知県梼原町にある6つの隈建築を写真家・映像作家の瀧本幹也がハイスピードカメラを用いて撮影した映像インスタレーション、アイルランドのマクローリン兄弟により撮影された、博物館《V&Aダンディー》のアヴァンギャルドなタイムラプス映像など、第一線で活躍するアーティストによる映像作品で隈建築の造形美を堪能できるのも面白い。
 さらに、ネコの視点から都市での生活を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン) ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則》(Takramとの協働)も発表。こちらは、丹下健三が東京オリンピック前の1961年に発表した、東京湾に海上都市をつくるという案《東京計画1960》への応答で、丹下の俯瞰の視点に対し、隈は地面に近いネコの視点を提案。一箇所に定まらずテンテンと暮らし、スキマに入り込んで自らノラミチをつくっていくネコの生態に、コロナ禍以降の人々は学ぶべきだと隈は問いかける。
 他にも、富山市の複合施設《TOYAMA キラリ》の360度VR映像(要整理券)、《国立競技場》のスタディ模型と照明の特別公開なども楽しみだ。

オドゥンパザル近代美術館(トルコ) 2019 ©Erieta Attali
雲の上の図書館 / YURURIゆすはら 2018 ©Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office
高輪ゲートウェイ駅 2020 ©東日本旅客鉄道株式会社
瀧本幹也 (梼原のインスタレーションのためのプラン) 2020 ©Mikiya Takimoto
隈研吾×Takram 東京計画2020:ネコちゃん建築の5656原則 2020<br>©Kengo Kuma and Associates ©Takram

開催概要
展覧会名 隈研吾展
新しい公共性をつくるためのネコの5原則
会期 2021年6月18日(金)〜9月26日(日)
休館日 月曜日(ただし7月26日、8月2日・9日・30日、9月20日は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
時間 10:00〜17:00(金・土曜日は21:00まで)
※6月18日・19日は、20:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京国立近代美術館
千代田区北の丸公園3-1
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 1,300円、大学生 800円、高校生以下無料
公式サイト https://kumakengo2020.jp/
問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
2021年6月4日更新