ジャポニスムから超絶技巧まで――多彩なデミタスカップの世界
2000点以上のデミタスカップを所蔵する村上和美氏のコレクションから約380点を厳選し、その多彩な世界を紹介する企画展。
濃いコーヒーを飲むための小さなコーヒーカップ「デミタス」は、ヨーロッパでテーブルウェアと食文化の様式が確立した19世紀に、カップ単独でも使用されうる異色な存在として現れた。この頃のヨーロッパでは中産階級が勃興し、彼らの間にコーヒー文化が浸透すると、焙煎・抽出技術も伸展。多様なコーヒーの楽しみ方が広がるにつれて、デミタスカップの需要も増え、さまざまなデザインが誕生することとなる。
第1部では、17世紀に始まるシノワズリの流行から、19〜20世紀に欧州の名窯が産んだジャポニスムやアール・ヌーヴォー、アール・デコと、時代ごとのデミタスカップのデザインの変遷をたどり、併せて明治以降の日本製のデミタスカップも紹介する。特に、19世紀半ば以降、万国博覧会をきっかけに大ブームとなった、日本的なモチーフやデザインに影響を受け、吸収して新たに生み出された様式・ジャポニスムのカップは注目だ。
第2部では、デミタスカップの様々な装飾方法や形、機能など、デザインに注目する。清涼感が際立つガラス製のデミタス、飲み物と食べ物を片手で持つことを考えて作られた機能的なセット、ユーモアあふれる大胆な形、“超絶技巧”ともいえる繊細かつ華麗な装飾が施されたものなど、デザインへの飽くなき追求が伝わるデミタスが展示される。
有名窯に限定せず創造性の輝く優品に注目して収集する、村上氏のコレクションならではの、一客一客表情の異なる個性豊かなデミタスカップの魅力を堪能したい。
展覧会名 | デミタスカップの愉しみ |
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会期 | 2021年8月24日(火)〜10月10日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし9月20日は開館)、9月21日(火)・24日(金) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 渋谷区立松濤美術館 渋谷区松濤2-14-14 |
観覧料 | 一般 800円、大学生 640円、高校生・60歳以上 400円、小中生 100円 ※土・日曜日、祝休日、夏休み期間中は小中生無料 ※毎週金曜日は渋谷区民無料 ※土・日曜日、祝休日および10月5日(火)以降の会期最終週は日時指定制 ※詳細は公式サイトをご確認ください |
公式サイト | https://shoto-museum.jp/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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