木のおもちゃに囲まれ、子どもから大人まで夢中で遊ぶ童心空間

東京おもちゃ美術館(四谷三丁目)

  • 2014/04/15
  • カルチャー
  • 博物館
東京おもちゃ美術館

少子化で都心の小学校も廃校が進む中、2007年に旧四谷第四小学校の校舎にできた東京おもちゃ美術館。NPO法人日本グッド・トイ委員会が運営しており、木製玩具を中心に100か国15万点を収蔵。そのうち5,000点を館内に展示し、来館者は見るだけでなく、実際に遊ぶことができる。

入口は2F。昭和10年建築という歴史ある校舎は、白熱電球と板張り廊下でレトロ感たっぷり。教室が展示室になっており、最初はグッド・トイてんじしつ。左側はその年の選定トイが、右側は歴代の選定トイが並ぶ。遊び方が分からないものは、おもちゃ学芸員(ボランティアスタッフ)が実演で説明してくれる。次はきかくてんじしつ。年に2〜3回の間隔で開催。
 最奥の部屋は元音楽室を改造したおもちゃのもり。九州産のヒノキ材を敷き詰めた室内には、ツリーハウス、巨大な木琴やそろばん、ドールハウス、木のボールが入った“砂場”が点在。寝転がるだけで、独特の触感やヒノキの香りに包まれる。

3Fの元家庭科室はおもちゃこうぼうに!ほぼ毎日開かれており、無料で参加できる。大人向けの縫い物、江戸時代のカラクリ玩具など、そのレパートリーはなんと500種類! ゲームの部屋には、リバーシ、タングラムなど各国のテーブルゲーム、ボードゲームが大集合。女流棋士やテーブルサッカーの日本代表によるイベントなども開かれており、ゲームの達人やファン同士の交流も魅力だ。中には、子どもよりお父さんが夢中になってしまうケースもあるとか。
 2部屋から成るおもちゃのまち。赤い部屋には、日本の伝統的なおもちゃが、黄色い部屋には、虫眼鏡など科学系のおもちゃ、海外の楽器、ごっこ遊びコーナーなどがある。科学系おもちゃのイベントでは、水圧と空気圧の原理、構造建築学などを使った体験も。

毎年、春には新宿御苑で木製おもちゃと触れ合う「森のおもちゃ美術館」、秋には全校舎、校庭、体育館も使う「東京おもちゃまつり」を実施。童心に返ったり、我が子との接し方を学んだり、形や風合いに癒されたり…。おもちゃ=子どもの物ではない、力を感じる空間だ。

住宅街の一角に現れる旧四谷第四小の校舎。半分は地域のコミュニティセンターになっている。平日は赤ちゃん、未就学児連れのママが多く訪れ、ベビーカー置き場に20台以上が並ぶ日も。
美術館の運営母体であるNPO法人 日本グッド・トイ委員会は毎年優良なおもちゃを選定。歴代のグッド・トイが置かれた展示室は、いくつか実際に触って遊べる。子どもが気に入ったものをショップで購入する親も多い。
若手作家の個展、戦中のアメリカと日本のおもちゃなど、人、国、時代などを切り口に年に2〜3回企画展を開催。取材時は「郷土玩具展」が開かれており、雛人形や都道府県別の張子・泥人形などが展示されていた。
音楽室を改造したおもちゃのもりの部屋は、一番人気でいつも大賑わい。ツリーハウスや大きなそろばんで遊んだら、2mの桶に木製ボールが2万個入った木の砂場へ。泳ぐ幼児、埋もれる小学生、寝転んで癒されるお父さんなど触れ合い方もいろいろ。
世界中のテーブルゲームが集まる「ゲームのへや」。テーブルサッカー、12個のブロックを使って仕切りを埋めるKatamino(カタミノ)、相手から渡された駒で1列を作るボードゲームQUARTO(クアルト)、木製迷路のBRIO(ブリオ)、そろばん型の立体五目並べなど、ヨーロッパのボードゲームを中心に70種類ほどがそろう。
3Fの「おもちゃのまち」。赤い部屋は日本がテーマで、琉球や昭和のおもちゃ展示、泥人形、コマ、けん玉、お手玉の体験のほか、茶室もある。黄色い部屋には分度器、顕微鏡、虫眼鏡、聴診器などの科学系、海外のボール落としゲームや打楽器、ままごとコーナーが置かれている。
廊下にもどうぶつ将棋、木製の高下駄、知恵の輪などが置いてあり、入館者が興味を持つと、ボランティアスタッフのおもちゃ学芸員が気軽に声をかけて遊び方を教えてくれる。昔ながらの校舎のたたずまいが温かな雰囲気だ。
3Fにある「おもちゃこうぼう」。家でも作れる手作りおもちゃがテーマで、紙コップや牛乳パック、新聞などを使ったものから、江戸時代のカラクリ玩具まで、ほぼ毎日無料で実施。講習を受けて認定されたおもちゃコンサルタントによる講座もあり。
子どもだけでなく、大人にもマニアが多いガチャガチャ(カプセルトイ)も木製トイ仕様。 ぷちころあにまる、ミニチュア家具など、収集欲をかきたてる!

基本情報

名称 東京おもちゃ美術館
所在地 新宿区四谷4-20 四谷ひろば内
電話番号 03-5367-9601
料金(税込) 大人700円、3歳〜小学生 500円、こどもと大人のペア券1,000円
営業時間 10:00〜16:00(最終入場は閉館の30分前まで)
※「赤ちゃん木育ひろば」のみ15:30まで
休館日 毎週木曜日、特別休館日、年末年始
アクセス 丸の内線「四谷三丁目」駅 徒歩6分
公式サイト https://art-play.or.jp/ttm/

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