季節を感じる花暮らし

観賞用トウガラシの寄せ植え

寄せ植え
鑑賞用トウガラシの寄せ植え

残暑お見舞いの声や、ショーウィンドーが秋色モードになってくると、観賞用トウガラシをよく見かけるようになります。こちらは観賞用ですので、食用とは違い実の色、形、葉の色のバリエーションがとても多く、秋のガーデニングシーズンに大活躍してくれます。

従来の秋らしさを演出する花といえばコスモスが一般的ですが、秋の長雨に当たるとうどん粉病にかかりやすく、また、曇天が続くと開花が鈍くなるという難点があります。また、ピンポン玉のような愛くるしさのポットマムも花持ちがよいのですが、こちらは虫が付くことも…。そんなときには、トウガラシの実の色で彩りを取り入れながら、ススキやオミナエシなどの立ち姿が美しい植物と組み合わせ、ローメンテナンスのコンテナガーデンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

シックな秋を表現するときは、ブラックパールやブラックプリンスのような黒葉のトウガラシを主役に、ヒューケラの小豆色やベージュを取り入れ、枯れた色合いのカレックスなどでまとめると、ファッションの世界で見るスタイリッシュな秋色の寄せ植えが出来上がります。器を黒にするとシックになり、バスケットタイプにすれば、ナチュラルな雰囲気にまとまります。
逆に、鮮やかな実の色で楽しみたい時には、ベーシックな赤い実の色にライムカラーの葉や、ナデシコ、アカバセンニチコウなどを合わせ、高さと横に動く枝の雰囲気をうまく取り入れると、庭の景色を切り取ったようなナチュラルなコンテナが完成します。素焼き鉢でベーシックにまとめると、素朴な印象の中にも安定した美しさを感じることができるでしょう。ただし、秋らしさを意識しすぎて植物選びをすると、冒険のない景色が出来上がってしまいます。そんな時は、トウガラシの葉色に合わせて、ミニバラやヒペリカムなど冬の寒さで落葉する小低木と合わせると、今までと違うモダンな景色が生まれ目を惹きます。

寄せ植えなどで植え替える場合は、根鉢をあまり触らずそのまま植え替えるか、根が1cmほど硬くぐるぐる回っている場合は、白く固まっている根の部分をハサミで切り落としてから植え替えると良いでしょう。

上着を一枚羽織る頃になると、葉がボロボロと落ち始め軸だけになってしまいます。鑑賞用トウガラシは寒さが苦手な植物ですので、葉が落ちてきたら冬春花壇に衣替えするサインと思い、抜き取って次のシーズンの準備を始めましょう。

杉井志織
講師:杉井 志織(すぎい しおり) 建築を学んだ後、園芸の世界へ。都市の緑に人と園芸を取り入れたランドスケープガーデニングや庭の管理、企画、運営なども行う。また新しい感覚を持ったガーデナーとして定評がある。流通センター駅前・お台場海浜公園などの花壇ボランティア運営の指導や花壇管理を行うほか、全国花き品評会鉢物部門 シクラメン部門審査員、ジャパンフラワーセレクション選考審査員、NHK番組「趣味の園芸」にも出演。著書に『はじめてのコンテナガーデン101』ほか多数。