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ザ シティ ベーカリー 赤坂アークヒルズ(赤坂)
THE CITY BAKERY

ニューヨーク生まれの独創的なベーカリー「ザ シティ ベーカリー」。2019年にオープンした赤坂アークヒルズ店は、ベーカリーにくわえ、本格的な料理を提供するレストラン「ブラッセリー ルービン」と、パン製造の拠点となる工房も併設する、日本のフラッグシップ店舗としての役割を果たす。アークヒルズのアーク・カラヤン広場に面したベーカリーとレストランは、テラス席の解放感が活気あるニューヨークの街中を彷彿とさせる。

常時15人以上のベーカーがフル稼働し、手作業にこだわったパンを最高位の設備で作り上げている。
創業者のモーリー・ルービン氏は、フランスで6日間通ったペーストリー教室でその魅力に開眼。テレビ局のプロデューサーというキャリアを捨て、パン作りに専念することを決意したという異色の経歴の持ち主だ。よって、「パンとはこうあるべき」という固定概念は皆無、斬新な商品を次々と生み出していき、1990年に1号店を開業すると、ベーカリーは瞬く間にニューヨーカー御用達店へと成長していった。現在、日本でも11店舗を展開し、モーリー氏の精神を引き継ぐベーカーたちが日々パン作りに励んでいる。

モーリー氏考案のパンの中でも、ザ シティ ベーカリーの顔ともいえるのが「プレッツェルクロワッサン」。その名の通り、プレッツェルとクロワッサンを掛け合わせたような、他にはないユニークなパンだ。表面にまぶされたドイツ産岩塩とゴマ、程よい塩気を帯びた濃密な生地の食感はプレッツェル仕様。しかし、2口3口と食べ進むにつれ、フレッシュなバターの香りが層になって押し寄せ、クロワッサンここにあり!と主張してくる。食事にもおやつにもなる絶妙な味わいのバランスが秀逸だ。「持ってもらうと分かるんですが、一般的なクロワッサンの2倍以上の重さがあります。これは生地をあまり発酵させないことで、プレッツェルのようなギュッと身が詰まった食べ応えを出しているためです。また、プレッツェルを作る際に必ず使われるラウゲン液を表面にぬり、このこんがりとした焼き目を出しています」と、製造責任者の徳永氏は看板商品のポイントを語ってくれた。

常時30〜40種程度並ぶパンの内、約半分はニューヨーク本店のレシピを再現したもの、残りの半分は日本独自の食パンや総菜パンというラインナップ。特に、マフィン、ビスケット、スコーンは、ニューヨークでも定番人気というだけあって一様にクオリティが高く、一つひとつが素材を惜しみなく使った主役級の存在感を放つ。
花が咲いたような独特な形状の「ベーカーズマフィン」は、サイコロ状にカットしたクロワッサン生地をシナモンシュガーと合わせカップに敷き詰め、リンゴ・クルミ・レーズンを層にして折り込み焼き上げたもの。「こういう独創的な商品を思いつくのがモーリーさん。アーティストに近い感じだと思います」と徳永氏。
そして、見た目とのギャップが一番大きいのが「メープルベーコンビスケット」。出で立ちは素朴な脇役といったところだが、メープルシロップとベーコンの甘じょっぱい無限ループは期待以上の幸福感をもたらしてくれる。独自配合の粉とバターを手作業で丁寧にすり合わせ、つなぎにヨーグルトを使うことで、生地はふんわりとした仕上がりに。一方、メープルシロップが染み込んだ表面はオーブンでカリッと焼き上がり、香ばしさが食欲をそそる。
「ハニーレーズンスコーン」も、一般的なスコーンを想像して食べると、その濃密さに驚かされる。「うちでスコーンと名のつく商品は、液体に関してはほぼ生クリームのみで仕込んでいます。バターも水も使いません。ですから、かなりしっとりしており、ザ シティ ベーカリーのスコーンといえばコレ!という特徴的な味わいになっています」と徳永氏。
一方、日本オリジナル商品の代表格が食パン。赤坂アークヒルズ店で人気が高い「プルマンブレッド」は、小麦粉をお湯で捏ねてモチモチの食感を生み出す「湯種」を、約30%と通常よりかなり多めに使っているため、トーストせずにそのままもっちり感と濃密な甘さを楽しむのがオススメだ。

自家製ケバブスパイスをすり込んだチキンを合わせた一品。
ベーカリー横のレストランでは、モーニングからディナーまで本格的な料理を提供。といってもこちら、普通のレストランとはひと味違う。エジプトの混ぜパスタ「コシャリ」、インドの家庭料理「サブジ」、トルコやギリシャの伝統料理「フムス」、モロッコ風サラダなど、日本ではあまり聞き馴染みのない、中東系のスパイスを中心とした多国籍料理がズラリと並ぶ。これらは、オープンに際し、社長とスタッフ総出でニューヨークでの食べ歩きを敢行し、現地の最新の食事情を取り入れた結果で、日本にいながらにして世界最先端の食のトレンドを楽しむことができるのだ。ランチ・ディナータイムには、ベーカリーのバゲットとフォカッチャがお替り自由というのもベーカリーレストランならではだ。

仕事帰りに立ち寄り食卓の一品にするのもオススメだ。
創業者の精神を、ベーカーや料理人一人ひとりがしっかり受け継ぐことで生まれる斬新なパンや料理の数々。一方、日本独自の商品開発や、客層に合わせたデリメニューの展開など、街に愛される店舗づくりの努力も惜しまないザ シティ ベーカリーには、本店同様、今日もさまざまな世代・国籍のファンが集う。
BEST CHOICE!
- プレッツェルクロワッサン
- 330円
- メープルベーコンビスケット
- 280円
- ハニーレーズンスコーン
- 350円
- ベーカーズマフィン
- 460円
- プルマンブレッド
- 1/2本 230円
- スモークサーモンとクリームチーズのラップサンド
- 680円
- チキンサブジ(サラダ、お替り自由のパン付)※レストランで提供
- 1,300円
※価格は全て税別
- ザ シティ ベーカリー 赤坂アークヒルズ(THE CITY BAKERY)
- 港区赤坂1-12-32 アーク森ビル2F
- 03-3588-1017
03-3588-1018(ブラッセリー ルービン) - 月〜土7:00〜22:00、日祝7:00〜21:00
ブラッセリー ルービン
モーニング7:00〜10:00/ランチ11:00〜16:00/
ディナー月〜土 16:00〜23:30(L.O. 22:30)、日祝16:00〜22:00(L.O. 21:00) - 定休日なし(アークヒルズの休館日に準ずる)
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