白エビ、カニ、寒ブリ…富山の名物が大集合!
先付から焼き物、揚げ物とコース仕立てで楽しむ御膳

富山県日本橋とやま館(日本橋)

  • 2018/1/16
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はま作御膳はま作御膳 税込3,240円
※写真は、左上から白えび唐揚げ、刺身盛、昆布巻かまぼこ、バイ貝旨煮、ニシン昆布巻き、香の物、氷見牛のローストビーフ、ブリの照り焼き、紅ズワイガニの酢の物、ご飯、味噌汁、魚介と野菜の揚げ出し

日本橋を渡ってすぐにある「日本橋とやま館」は、富山のライフスタイルを丸ごと見せるショールーム的なアンテナショップ。入ると、立山連峰を描いた組子の壁が広がり、モダンながらも温かな雰囲気が漂う。現地の情報提供を行う観光交流サロン、特産品や工芸品を扱うショップ、地酒が味わえるバーラウンジ、富山湾直送の海産物が味わえる和食レストランが、広いワンフロアを区切る形で設けられており、回遊しやすいのが魅力的だ。
 中でも和食レストラン「富山はま作」は、富山県出身の浜守淳料理長が県産の食材を使って、正統派の和食を提供。富山湾の新鮮な魚介を使った刺身はもちろん、氷見うどん、わっぱ飯といった名物も食べられるとあって、年配者を中心に好評を博している。

内観木をたくさん使った店内は“富山の大きな家”をイメージ。
カウンター7席、テーブル38席あり、ゆったりした空間は落ち着いた雰囲気。
一部を仕切って半個室風にもできる

ランチは、刺身定食や氷見うどんとます寿しのセット、期間限定の白えびかき揚げ丼など、誰もが思い浮かべる富山の海産物が中心のメニュー構成。季節ごとにランダムで変わり、旬の魚介が食べられる。
 オススメは、先付から甘味までの和食のコースをコンパクトにまとめた「はま作御膳」。取材日は、白エビ、寒ブリ、紅ズワイガニと富山の名物そろい踏み。白エビの唐揚げはサクッとした味わいの中にプリッと甘い身の旨味がじんわり。刺身は、寒ブリ、サワラ、天然タイの昆布締めの三種盛り。江戸時代に盛んだった北海道との海上交易の影響から、昆布が食生活に深く浸透している県民にとって、昆布締めの刺身は盛り合わせに欠かせない品。同店では、真昆布よりも旨味が強い羅臼昆布を使っている。
 前菜三品は、昆布巻かまぼこ、ニシンの昆布巻、バイ貝の旨煮。色鮮やかに鯛や富士山、花鳥などを象った細工かまぼこは富山の慶事に欠かせない品で、参列者は宴の後にかまぼこを切り分けて隣近所におすそ分けする習慣があるそう。県内には数十社のかまぼこメーカーがあり、県民はそれぞれお気に入りのお店があるらしい。ツブ貝に似たバイ貝はツブ貝よりも柔らかくて甘く、肝も苦みがほとんどない。貝が好きな人ならハマりそうな美味しさ。
 氷見牛のローストビーフは、ジューシーながらも赤身中心でヘルシー。近畿の品評会で1〜2位を争うブランド牛で、知る人ぞ知る名物なのだという。寒ブリの照り焼きは鉄板の美味しさ、紅ズワイガニもフワッととろける味わいとコクのある甘味が後を引く。
 それぞれの名物を白米と一緒に味わうとまた一際おいしさがアップ。自慢の県産コシヒカリを名水百選の一つ、“穴の谷の霊水”で炊き上げるというこだわりが詰まったご飯だ。剱岳近くの山間に湧く霊水は、江戸時代から霊場として知られた地。不純物が少なく、4年間腐らないと言われている。
 一見普通に見える味噌汁にも一工夫。刺身で使ったサワラやタイのアラを煮出し、濃厚な味わいに。とろろ昆布が旨味をさらにプラスして美味しい。

料理長富山出身の浜守淳料理長。食材への姿勢は真面目な県民性そのもの。
余裕のある時は、アルペンルートや宇奈月温泉などの耳寄りな情報が聞けるかも!?

「名物づくしは食べ物だけじゃなく、小鉢は越中瀬戸焼、カニの器は伝統産業の鋳物による錫製、お盆は魚津漆器と、工芸品もたくさん使っています」と、浜守料理長。焼き物や器好きには、うれしいポイントだ。錫は、水を腐りにくくさせ、熱伝導が良いため、日本酒がまろやかになると、近年人気上昇中。海外進出も盛んだとか。
 大きな家、住み良い町、空気、水、魚、酒など恵まれた環境、海や立山連峰などの大自然が間近にあるのが富山の魅力。派手さはないけれど、日頃親しんでいる味は上質で都会にはないものがたくさん。「都心の方が富山と聞いてイメージする寒ブリやサワラなどの名物も意識しつつ、富山の四季の味を出したいですね」。浜守料理長による味わい深い富山の味覚、ぜひ一度お試しあれ。

ショップフロア(入口)

入ってすぐに広がるショップには、県民自慢の米からます寿し、ホタルイカの沖漬け、白えびの煎餅、昆布巻かまぼこなど、ご当地名物が並ぶ。少量サイズも多く、初めてのお試しにも良さそうだ。女性向けに開発された「べつばら富山」シリーズのお菓子や雑貨は、パッケージもかわいらしくギフト向き。工芸品も螺鈿細工のバッジや、錫の皿や盃など、伝統工芸を現代のデザインで再構築したセンスある品が多い。

バーカウンター

ショップとレストランの間には、気軽にカフェや地酒を楽しめる「トヤマバー」がある。県内にある17の蔵元の一升瓶がディスプレイされた木製のカウンターはスタイリッシュな雰囲気。地酒3種飲み比べ(税込700円)、富山牛のコンビーフ(税込500円)、黒部の名水で抽出した水出しアイスコーヒー(税込500円)、氷見はとむぎジェラート(税込400円)などが楽しめる。

ダラダラが嫌い!何ごとにも真面目人間
(左から)サブマネージャーの浅野氏、マネージャーの南谷氏左から、サブマネージャーの浅野陽祐氏、マネージャーの南谷明輝氏
とにかく真面目。「富山の薬売り」にも代表されるように粘り強く、辛抱強い人が多いです。方言の「ダラッ(バカという意味)」は、ダラダラするのが良くないことからきていると言われており、懸命に働くのが美徳とされています。合理的で現実主義なため、無駄な出費を好みません。雪国で自然に囲まれた地形から人の行き来は少なく、保守的ですが、粘り強くて包容力のある人が多く、斬新なアイデアで商売上手な面も持ち合わせています。県の東西で気質が異なるところもあります。
コレぞ、ふるさとの味!ご当地で愛される品
とろろ昆布
とろろ昆布江戸時代、北海道と関西を結ぶ海上交易「北前船」によって、広く県内に昆布を食べる文化が浸透。今でも、だしに使うだけでなく、昆布巻き、昆布締め、昆布かまぼこなど多くの昆布料理が愛されている。中でも手軽に使われているのが、とろろ昆布。餅やおにぎりを巻いたり、ご飯にのせたり、味噌汁に加えたりと大活躍。名物の氷見うどんには、欠かせないのだとか。旨味の強い利尻昆布入りのとろろ昆布のほか、削ったのではなく刻んだ食感が県民に好評な黒とろろも用意。こちらは酸味があり、ご飯の甘味を引き立ててくれる。バラエティに富む利用法をスタッフに聞いてぜひチャレンジしてみては?利尻昆布入り とろろ昆布 50g 税込432円/(株)四十物昆布
上黒とろろ 72g 税込432円/(株)四十物昆布

基本情報

店舗外観
名称 日本橋とやま館
所在地 中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
電話番号 03-6262-2723(代表)
営業時間
ショップフロア
10:30〜19:30
和食レストラン
11:30〜14:30、17:00〜22:30(日・祝〜21:00)
バーラウンジ
11:00〜21:00
定休日 年末年始、ビル施設点検日等
公式サイト https://toyamakan.jp/

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