蝋を溶かした型の中に金属を流し込み造形する、ロストワックス精密鋳造（ちゅうぞう）技法で、さながら近未来都市のような作品を造りだす久野彩子（くの・あやこ）。NANATASU GALLERYで3回目となる今展では、“Rebirth”をテーマに、創造と破壊を経て生み出される新しい息吹きを表現している。金属という硬質な素材をメインとしながら、コンクリートの隙間から顔を出す草花のように、そして水面に波紋を広げる波のように、作品から自然界の営みが瑞々しく伝わってくるのが面白い。計算しつくされた精緻な技術と、それを無機質に感じさせない表現力のバランスの妙をぜひご覧あれ。会期は7月9日（日）まで。月・火曜休。時間は12:00〜19:00。