最新の科学的知見から様々な作品を発表している、イギリス出身のアーティストユニット「セミコンダクター」による展示。NASAなどからデータ提供を受ける、世界的にも認められたユニットで、量子力学などこれまで理論上のみで成立していた分野を実際に映像などで可視化する事にチャレンジしている。

 今展のメイン作品である「Parting the Waves」は、ある特定の周波数を選択し、映像とサウンドを同期させることで、量子系における3つの概念（フェイズ、シフト、インタラクション）を視覚的に表現したもので、目まぐるしく変わる波形の調和と不調和に見入ってしまう。他にも、大気圏で起きる磁気嵐を映像化したものなど、私たちの周りで起きる自然体験がいかに科学の影響を受けているかを気付かせてくれる。

 比較的文系が多いアート好きには難しいと敬遠されがちな分野だが、まずは映像が放つパワーを体感して、純粋にアートとして鑑賞してみてはどうだろうか。

会期は8月5日（土）まで。日月祝休。時間は13:00〜18:00。