久門剛史「トンネル」

OTA FINE ARTS(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

  • 2018/7/24(火)
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久門剛史「トンネル」

 現在、森美術館の「MAMプロジェクト」にも参加中のアーティスト久門剛史(ひさかど・つよし)の、OTA FINE ARTSでは4年ぶりとなる個展。

 久門はこれまで、音や光、日常的なモノを使ってインスタレーションを制作してきたが、今展ではその要素を保ちつつも、モノの“気配”や“不在”をとらえ、さらに深い世界観を表現しようと試みている。
 具体的には、これまで多用してきた鏡は使わず、物体としての存在感が薄れる透明ガラスを採用。そのガラスケースの一部を丸くくりぬき、傾け回転させることで、そこに生じる曖昧な境界や影を気配として表出させている。また、壁に立て掛けられたアルミの板に投射されるスポットライトの丸い光は、形を持たないながらも強い存在感を示している。

 ガラスのくり抜きやスポットライトに見てとれるように、久門は円形のモチーフを多用することでも知られている。一見関連性を持たないように見える平面作品も、円周率という“円”が持つ曖昧な境界を表現した仕掛けがあるので、ぜひ近づいて鑑賞してほしい。

会期は9月1日(土)まで。日月祝休。時間は11:00〜19:00。

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