さいあくななちゃん「生きる」

岡本太郎記念館(南青山6-1-19)

  • 2019/6/6(木)
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さいあくななちゃん「生きる」

 2018年の岡本太郎現代芸術賞受賞作家、さいあくななちゃんの新作展がスタートした。19日間の展示期間のほとんどが公開制作となり、約3m×5mの巨大キャンバスに、作家が毎日対峙する姿をライブで鑑賞できる。

 バイト先の同僚に自身の絵を「さいあく」と評されたことから、さいあくななちゃんと名乗るようになった作家は、生きづらさや型にはめられる息苦しさを吐き出すように、キャンバスに思いをぶつけてきた。一貫して自身の内面に目を向けていた彼女が、今展で岡本太郎という外の人と初めて向き合うことになった時、岡本太郎のことを勉強すればするほど頭でっかちになっていく自分に気づいたという。迷った末、太陽の塔を見に行くことを決意。“本物の何か”に出会った衝撃、感動、押し寄せる孤独と生きることへの思い、そして「私も私を生きる」という結論に達した。「この生きている1秒にかけて、この大きなキャンバスに今までの自分を壊してぶつかっていく。それが太郎さんへの最大のリスペクトだと思っています」と語る。

 「展示の前日はすごく緊張していたけど、始まってみると楽しくて仕方がない」という公開制作は、この小さな体のどこにそんなパワーがあるのだろうと不思議になるほど、生が叫び、躍動している。隣で見守る太郎さんや作品たちからも、「いいぞ!もっとやれ!」という声が聞こえてきそうだ。

【会期】6月5日(水)〜6月23日(日)※公開制作は6月19日まで、6月20〜23日は完成作品を展示 【休館日】火曜 【時間】10:00〜18:00

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