SNOW Contemporary(西麻布2-13-12 早野ビル404)
陶芸家・篠崎裕美子(しのざきゆみこ)のSNOW Contemporaryでは3回目の個展がスタート。
これまで、インターネットに氾濫して消費されていくポルノやアニメ、人間の活動で絶滅に追いやられたウイルスや細胞などを、半永久的な陶という素材に取り込むことで、それらに永続的な“生命”を与えてきた篠崎。本展では、大量生産された日用品が、リサイクルショップで執拗に販売されている点に着目し、それらを「SAMSARA(輪廻転生)」に例え作品に昇華させている。
リサイクルショップで購入したであろうやたらゴテゴテした中国風の壺、悲し気な木彫りのクマ、一昔前のゲーム機のコントローラー…店頭で売れ残っていることが容易に想像できるこれらが、篠崎の手にかかるとまるで今まさに生まれ変わり、貪欲に呼吸をし始めるような、“命”を強く感じるものに。
彼女の作品は、触覚も大事な要素の一つであり、つるつる、ブツブツ、ブクブクなどの陶器の割れや釉薬の質感が印象的だが、今展では初めてガラスにも挑戦。キラリと加わった鋭さや清らかさ、逆に溶けたガラスのねっとりとした妖艶さが、作品をもう一段階上に押し上げているように感じる。
輪廻転生を繰り返すリサイクル品のリサイクル(=価値の更新)への挑戦を、しっかり見届けたい。
【会期】11月8日(金)〜12月21日(土)
【休廊日】日月火祝
【時間】13:00〜19:00
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