独自のアニメーション作品が魅力。佐藤雅晴「Hands−もうひとつの視点から」

六本木 蔦屋書店2F BOOK GALLERY(六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り)

  • 2021/7/1(木)
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独自のアニメーション作品が魅力。佐藤雅晴「Hands−もうひとつの視点から」

 六本木 蔦屋書店2FのBOOK GALLERYにて、2019年3月に45歳の若さで亡くなった佐藤雅晴(さとうまさはる)の映像作品にフォーカスした個展が開催中。

 佐藤は1973年大分県生まれ、日本とドイツを拠点に活動し、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースした、独自のアニメーション作品に長年取り組んだ作家だ。佐藤にとってトレースとは、対象を「自分の中に取り込む」行為だという。
 本展で展示される《Hands》は、猫をなでる手、入れ歯を洗う手、恋人にふれる手、ページをめくる手、おもちゃで遊ぶ子どもの手など、33もの「手」のシーンを撮影し、その手の部分のみをトレースすることで、現実と非現実の境界線を浮かび上がらせた映像作品だ。場面はいたってノーマルな日常の風景ながら、そこにアニメーションのある種の違和感が加わることで、生と死、裏と表といった相反する要素が加わり、画面から目が離せなくなる。
 同じ動作が延々と繰り返される映像、いくつかがループする映像、音の印象が強い映像など、ギャラリー内でそれぞれの作品がオーバーラップする様は、人間の鼓動や息遣いのようにも聞こえてくる。

 なお、本展の横のスペースでは、球体や額を支持体に郊外や都市の風景を描き込む、鮫島大輔(さめじまだいすけ)の作品展示も開催中なので、併せて鑑賞してみては。

【会期】6月21日(月)〜8月29日(日)
【時間】11:00〜20:00 ※予告なく変更の可能性あり

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