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SCAI PIRAMIDEで磯谷博史の個展。時間やイメージが静かに層をなす詩的空間

SCAI PIRAMIDEで磯谷博史の個展。時間やイメージが静かに層をなす詩的空間

SCAI PIRAMIDE(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

2021/9/10(金)  「SCAI THE BATHHOUSE(谷中)」と「SCAI PARK(天王洲) 」に続く第3の拠点として、今年4月に六本木のピラミデに開廊した「SCAI PIRAMIDE」。本スペースでは、現代アートシーンのさらなる交流と進展を育むため、所属作家にこだわらず、さまざまなアーティストによる挑戦的な展示を積極的に企画していく予定だとか。

 開廊以来2回目となる今回の個展「磯谷博史『さあ、もう行きなさい』鳥は言う『真実も度を越すと人間には耐えられないから』」も、作家の新たな側面や試みが感じられる興味深い構成となっている。
 日常の一瞬を切り取った写真の中から印象的な色を抜き出しフレームに色付けするシリーズでは、新たに大判のフェルトを一つの構成要素とすることで、2次元の写真が3次元の彫刻へと拡張し、写真内のストーリーが空間に滲み出るような演出が加えられている。
 また、腐らないとされる蜂蜜でねっとりと満たされたガラス瓶に集魚灯を落とし込んだ《花と蜂、透過する履歴》と、5000年前の土器の破片を泥に戻し、つるりとした球体に焼き上げた《活性》の2作品を対比させた、ギャラリー中央のインスタレーションも初の試み。マテリアルが持つ時間制や永久性、人工物と自然物、そして攪拌される古代と現代など、2作品が持つ要素が相互に干渉しあうことで、単体よりも何層にも文脈が豊かになっている。

 陽が傾くとさらに詩的な雰囲気でギャラリーが満たされるので、ぜひ夕方に訪れるのをオススメしたい。

【会期】9月9日(木)〜10月16日(土)
【休廊日】日月火水祝
【時間】12:00〜18:00
※事前予約制