最初期と最新の作品が65年の時を超えて同時に揃う ゲルハルト・リヒター ドローイング展

ワコウ・ワークス・オブ・アート(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

  • 2022/7/1(金)
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最初期と最新の作品が65年の時を超えて同時に揃う ゲルハルト・リヒター ドローイング展

 人がものを見て認識する原理自体を表すことに、一貫して取り組み続けている現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)。12度目となる個展『Drawings 2018-2022 and Elbe 1957』がワコウ・ワークス・オブ・アートで開催中。

 同ギャラリーはリヒターから直接作品を預かり、展示販売する権利を持つ、世界で2つしかないプライマリーギャラリーの1つ。本展では、リヒター自身の企画構成により、2018年から2022年に描かれた新作のドローイング作品18点と、65年前に制作された31点組の版画作品をのちにエディション化したシリーズ《Elbe [Editions CR: 155]》が展示されている。すべて日本初公開となる。
 「現在、東京国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展(6/7〜10/2)では、60年前からの作品が展示されているが、本展ではそれより以前の65年前、リヒターが25歳の時の版画をもとにしたシリーズから、2022年の最新作まで、幅広くご覧頂けるのが醍醐味」と話すのはディレクターの大坂直史氏。リヒターの魅力について、「初めて作品を見る人や美術の知識があまりない人でも一瞬で虜になるような画面をつくりながら、作品のみならずアーティストとしての全体像においても批評家や研究者を夢中にさせるところ」と語る。
 同ギャラリーでは事前予約制で鑑賞できるが、取材の合間も絶え間なく鑑賞者が訪れ、関心の高さが伺えた。東京国立近代美術館と掛け持ちで鑑賞する方も多いのだそう。

 2017年の油彩画の制作を最後に、ドローイング作品のみに注力しながら、90歳を迎える現在も精力的な活動を続けるリヒター。複雑な油彩画から本質的な要素だけを抽出して描き出したかのような、ドローイングならではの魅力あふれる最新作と、後年に磨かれていく作風の前触れのような要素が多く見られる65年前の版画をもとにした貴重な作品をぜひ間近で鑑賞してほしい。

【会期】6月11日(土)〜7月30日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜18:00 ※要事前予約

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