都立芝公園

東京タワーと一体、日本最古の公園。
“東京のシンボル”東京タワーの足元にある「都立芝公園」は初めて訪れるのに、なんとなく見覚えがあると感じてしまう場所。
東京タワーを望むベストロケーションのため、テレビドラマやCM撮影のロケ地になることが多く、画面を通して幾度と景色を見ているためだ。
一方で12万2,501平方メートルの広大な敷地には、数多くの史跡や自然なども残る貴重な公園だ。

  • 2007/08/03
  • カルチャー
  • 緑の散策路

この公園は徳川家の菩提寺である芝増上寺の境内と東京プリンスホテルの敷地を、ぐるりと緑のベルトで囲んでいるドーナツのような形状。1周約900メートルの園内を散策すると、たっぷりと1時間はかかる。昼休み時には、近隣の人々のジョギングの格好の場にもなっている。

芝公園は、もともと芝増上寺の土地だったものを1873(明治6)年、日本で最初の公園として明治政府から指定された。戦後の政教分離によって境内の部分が除かれたが、当初は増上寺の境内も含んでいた。このほか、園内のこんもりとした丘は「芝丸山古墳」と呼ばれ、古墳の頂上には最初の実測日本地図をつくりあげた伊能忠敬の記念碑がある。忠敬はここで測量の予行練習をしていたという。

園内は、クスノキ、ケヤキ、イチョウなどの大木が見られる。約200本のサクラも植えられているため、花見の時期にはライトアップされた東京タワーがバックの夜桜見物がおすすめ。また早春には江戸時代に「銀世界」と讃えられた約70本の紅梅・白梅がいっせいに花を咲かせる梅林がある。

公園散策のハイライトは都心の希少な紅葉の名所「もみじ谷」。自然石を組み合わせた岩場や滝と周りに植えられたカエデなどの森が深山幽谷を想わせる。現在東京タワーが建つ場所は、徳川二代将軍秀忠が江戸城内紅葉山からカエデなどを移し植え、紅葉山と呼ばれていたところで、江戸時代は紅葉名所のひとつとして、現在とは違った要素で人々を集めていた。

  1. 東京タワーの足元にある「もみじ谷」。カエデなどが植えられた森に滝や小川が流れる
    東京タワーの足元にある「もみじ谷」。カエデなどが植えられた森に滝や小川が流れる
  2. 木陰のベンチはビジネスマンの癒しの場
    木陰のベンチはビジネスマンの癒しの場
  3. 1周約900メートルのドーナツ状の公園は、歴史的名所からスポーツ施設まで、見所、遊び処が満載だ
    1周約900メートルのドーナツ状の公園は、歴史的名所からスポーツ施設まで、見所、遊び処が満載だ
  4. 江戸時代に「銀世界」と讃えられた紅梅、白梅が一斉に花を咲かせる梅林がある
    江戸時代に「銀世界」と讃えられた紅梅、白梅が一斉に花を咲かせる梅林がある
  5. 園内のこんもりとした丘は、実は前方後円墳「芝丸山古墳」
    園内のこんもりとした丘は、実は前方後円墳「芝丸山古墳」
  6. 芝公園は、もともと徳川家の菩提寺である芝増上寺の土地だった
    芝公園は、もともと徳川家の菩提寺である芝増上寺の土地だった
  7. 境内右手の一角にある「千躰子育て地蔵」。子供の成長と健康を願う愛らしい姿のお地蔵さんだ
    境内右手の一角にある「千躰子育て地蔵」。子供の成長と健康を願う愛らしい姿のお地蔵さんだ
  8. ぐるりと一周できる公園は、格好のジョギングコースとしても知られる
    ぐるりと一周できる公園は、格好のジョギングコースとしても知られる
  9. いつ訪れても観光客で賑わう“東京のシンボル”東京タワー
    いつ訪れても観光客で賑わう“東京のシンボル”東京タワー
  10. 東京プリンスホテルパークタワーの敷地内にある「プリンス芝公園」は一般にも開放されており、季節の花や冬場にはイルミネーションも楽しめる
    東京プリンスホテルパークタワーの敷地内にある「プリンス芝公園」は一般にも開放されており、季節の花や冬場にはイルミネーションも楽しめる
公園の歴史
1873(明治6)年
太政官による布達(公布)で、上野、浅草、深川、飛鳥山とともに日本で最初の公園として指定
1902(明治35)年
運動器具を東京の公園で初めて設置
1946(昭和21)年
政教分離に伴い園内から増上寺境内が除かれ、環状の公園に

基本情報

名称 都立芝公園
所在地 港区芝公園1〜4丁目
問合せ 03-3431-4359
アクセス JR「浜松町駅」徒歩12分
三田線「芝公園駅」徒歩2分
三田線「御成門駅」徒歩2分
大江戸線「大門駅」、「赤羽橋駅」徒歩5分
公式サイト https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index001.html

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。