明治の将軍をしのぶ邸宅と神社。
外苑東通りを地下鉄乃木坂駅から六本木に向かって進むと左手に石造りの古い門とレンガ造りの壁がある。門をくぐると漆黒に塗られた壁と瓦ぶきの家。
これが日清・日露の戦争を戦い、明治天皇の崩御に殉じた将軍として名高い乃木希典陸軍大将夫妻が住んだ邸宅で、敷地一帯が区立野木公園として開放されている。
邸宅は、将軍がドイツ留学中に見たフランス軍の建物を基に建てたというもので、軍人の家らしく、飾り気のない簡素な建物。普段は、邸宅内部に入る事はできないが、遺品が展示された大応接室や将軍が殉死した居室を見学ルートから見られる。乃木将軍夫妻の命日にあたる9月12日・13日には邸宅内部が一般公開される。また、敷地内にはレンガ造りの厩があり、自宅の質素さに比べその立派さが目を引き、馬をこよなく愛したという将軍の人柄が浮かぶ。
庭には「最後の武士」と言われた乃木将軍らしく、桜が植えられ、近隣の花見の名所にもなっている。また、夫妻が自分たちの食事をまかなったという家庭菜園があり、質素だった暮らしぶりをしのばせる。外部の喧騒が嘘のように、公園内部は静寂に包まれ、落ち着ける空間。
乃木公園に隣接する乃木神社は、乃木大将と妻静子夫妻を神としてまつる神社だ。大鳥居をくぐると、境内は凛とした清浄な空気が流れる印象。乃木大将は文武両道の神として祀られ、第二次大戦前は軍神として多くの軍人が「武運長久」を祈願しに訪れた。現在は、地元企業の関係者や、将軍が学習院の院長だったこともあり、“学問の神”として受験合格を祈る受験生などが参拝することが多い。また、神社の宝物殿には殉死に使われた刀や勲章、遺言状などが展示されているので必見。
名称 | 乃木公園【有形文化財】 |
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所在地 | 港区赤坂8-11-32 |
問合せ | 03-5413-7015(赤坂地区総合支所 協働推進課土木係) |
開園時間 | 9:00〜16:00 |
休園日 | 年末年始 |
アクセス | 千代田線「乃木坂駅」徒歩1分 日比谷線「六本木駅」徒歩8分 大江戸線「六本木」駅徒歩6分 |
公式サイト | https://www.city.minato.tokyo.jp/shisetsu/koen/akasaka/05.html |
名称 | 乃木神社 |
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所在地 | 港区赤坂8-11-27 |
問合せ | 03-3478-3001 |
アクセス | 千代田線「乃木坂駅」徒歩1分 日比谷線「六本木駅」徒歩8分 大江戸線「六本木駅」徒歩6分 |
公式サイト | https://www.nogijinja.or.jp/ |
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