八芳園

大正時代の政財界の巨峰が愛した名園。
地下鉄白金台駅のすぐそば、日吉坂の途中にある大きな山門をくぐると、なだらかな起伏に富む日本庭園が広がる。
結婚式場としてもよく知られる「八芳園」は5万平方メートルの広大な敷地を持ち、江戸時代は大名屋敷、大正時代には政財界の巨峰・久原房之助の別荘としての歴史を持つ名園。

  • 2007/08/08
  • カルチャー
  • 緑の散策路

地下鉄白金台駅のすぐそば、日吉坂の途中にある大きな山門をくぐると、なだらかな起状に富む日本庭園が広がる。結婚式場としてもよく知られる「八芳園」は5万平方メートルの広大な敷地を持ち、江戸時代は大名屋敷、大正時代には政財界の巨峰・久原房之助氏の別荘としての歴史を持つ名園だ。

山の手台地の地形を生かした園内には、斜面にそって大小の名木が植えられ、多くの名石が配される。かつて川だった場所には池があり、ほとりには水亭、竹林のそばには茶室が建ち、まさに風雅を極めた趣だ。

歴史的価値の高いモニュメントも多く、1,000年以上の歴史をもつという国宝級の古代朝鮮の仏塔、平宗清が平家滅亡後に一族の供養のために自ら刻んだという石灯籠など、久原氏が集めた名品の数々を見ることができる。また徳川家に仕えた旗本・大久保彦左衛門は、この地で余生を過ごし、家光より直々に下賜されたと伝えられる山茱萸(さんしゅゆ)の木が今も残されている。

緑豊かな園内は、春には桜、秋は紅葉、冬は雪景色…と、四季折々の景観が楽しめる。池にはカラフルなオシドリや錦鯉が優雅に泳ぎ、ウメの季節には花の蜜を吸いにウグイスやメジロが枝の間を飛びまわる光景も見られる。

この庭園は、基本的にはレストラン、料亭など八芳園の施設の利用者へは無料開放。庭園内の散策と茶室で抹茶とお菓子を味わうコースなどもあり、優雅に名園散策が堪能できる。すぐ近くには「都立庭園美術館」や「自然教育園」などもあり、“庭園めぐり”をする人も多いとのこと。

  1. 風格ある正門までは白金台の駅から歩いてすぐ
    風格ある正門までは白金台の駅から歩いてすぐ
  2. 風情ある木戸門をくぐると、なだらかな起伏に富む日本庭園が広がる
    風情ある木戸門をくぐると、なだらかな起伏に富む日本庭園が広がる
  3. 鳥の声、虫の声に耳を澄ませながら歩く散策路
    鳥の声、虫の声に耳を澄ませながら歩く散策路
  4. 錦鯉や水鳥の楽園となっている池。水辺のあずまや「水亭」で寛ぐひとときは贅沢
    錦鯉や水鳥の楽園となっている池。水辺のあずまや「水亭」で寛ぐひとときは贅沢
  5. 横浜の貿易商、田中平八が手がけた由緒正しい茶室「夢庵」。本格的な点茶が楽しめる
    横浜の貿易商、田中平八が手がけた由緒正しい茶室「夢庵」。本格的な点茶が楽しめる
  6. 年代物の盆栽がずらりと並んで、日本情緒たっぷり
    年代物の盆栽がずらりと並んで、日本情緒たっぷり
  7. 威風堂々の枝ぶりに圧倒される、樹齢500年の蝦夷松
    威風堂々の枝ぶりに圧倒される、樹齢500年の蝦夷松
  8. 数寄屋造りの料亭「壺中庵」は1951年まで久原氏の屋敷として使われていた建物
    数寄屋造りの料亭「壺中庵」は1951年まで久原氏の屋敷として使われていた建物
  9. 絶景ポイントには、赤い毛氈を敷いた縁台が置かれている
    絶景ポイントには、赤い毛氈を敷いた縁台が置かれている
  10. オリエンタルな雰囲気のチャペル周辺には竹がそよぐ
    オリエンタルな雰囲気のチャペル周辺には竹がそよぐ
公園の歴史
江戸時代初期
「天下のご意見番」として知られた旗本、大久保彦左衛門の屋敷だったと言われている
1846(弘北3)年
島津式部の抱屋敷に
1854(嘉永7、安政元)年
松平薩摩守の下屋敷に
明治末期
実業家の渋沢喜作が居住
1915(大正4)年
日立製作所の創設者であり、政界でも活躍した久原房之助が購入。敷地を1万2,000坪に拡張し、贅を尽くして庭園を整備。四方八方どこを見ても美しい「八芳園」と名付けた
1950(昭和25)年
終戦後、個人でこのような場所に居住するのは相応しくないと判断した久原氏が長谷観光株式会社に土地などを譲渡。同社は株式会社八芳園を創立し、結婚式場や料亭、レストランなどを敷地内で開業する

基本情報

名称 八芳園
所在地 港区白金台1-1-1
問合せ 03-3443-3111
開園時間 10:00〜21:00
休園日 年末年始
駐車場 無料・約200台(施設利用者のみ駐車可)
アクセス 南北線・三田線「白金台駅」徒歩1分
公式サイト https://www.happo-en.com/

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