スパイダーマン2

どんなに強いヒーローだって、人間です。
痛快なアクションはもちろん、恋愛や生活など、
人間ドラマもしっかり見せる充実の続編!

  • 2004/06/28
  • イベント
  • シネマ
スパイダーマン2TM & © 2004 Marvel Characters, Inc. Spider-Man 2, the movie
© 2004 Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

前作に引き続き、ドラマ性がさらにアップ!人気アメコミを映画化し、'02年に全世界で大ヒットした『スパイダーマン』の続編が完成。遺伝子操作をされた蜘蛛に噛まれ、突然変異をおこして強力な特殊能力を得た青年ピーター。スパイダーマンとして、正義の道を孤独に貫く決心をした彼だったが……。ヒーローアクションというだけじゃなく、青春ラブロマンスの側面もしっかり描いた、今夏大ヒット間違いなしのエンタメ作である。

大学生になり、1人暮らしを始めたピーターは、正義の味方スパイダーマンとして、人知れず懸命に闘う日々を過ごしている。N.Y.では常に事件が起こり、そのたびに駆けつけて悪を倒す毎日。アルバイト先に遅刻してクビになり、メリー・ジェーンの出演する舞台を観ることもできず、彼女の信頼を失った。ピーターはいつしか、勉強とアルバイトとスパイダーマン、すべてをこなすことに疲れきってしまっていた。

スパイダーマン2

今回の敵は、実験の失敗により、背中に接続した4本の凶悪な人工アームに支配されてしまう博士“ドック・オク”。ピーターの尊敬する人物が悪の化身に、という設定は前作と同じ。「3」にも続きそうなこの仕組み、ワンパターンとはいえ、「敵といえども憎みきれない」という人間らしい葛藤や心情が描かれるため、やはり見ごたえがある。敵との死闘やアクションシーンが迫力たっぷりなのは、言わずもがな。ビルの狭間を飛び移っていくジェットコースターのような映像も、相変わらず爽快だ。個人的には、ピーターがスパイダーマンウェアを洗濯していると色移りしてしまったり、実はウェアの着心地が悪いことを行きずりの人に話してみたり、「ヒーローだって人間です」ということが、コミカルにほのぼのと描かれているシーンが楽しかった。英雄といっても万能じゃなく、いろいろな苦悩や失敗を乗り越えて、周囲の人々に支えられて生きている、という背景がユーモアを交えて上手に描かれているのは、サム・ライミ監督の手腕によるものだろう。

スパイダーマン2

また、それどころじゃないっちゅーに、とツッコミを入れたくなるようなときに、メリー・ジェーンが目を潤ませて、「Do you love me?」とピーターに聞くところは、可笑しかった。嵐に吹かれようと大地が割れようと、恋する女にとって大事なのは「私のこと愛してる?」。普遍的だ。

スパイダーマン2

主演のトビー・マグワイアは、『サイダーハウス・ルール』『シービスケット』の作品で知られている通り、本来は地味目で職人的な演技のできる俳優。もともと割と好きな俳優だったため、「『スパイダーマン』の大ヒットで天狗になって、嫌な奴になっていたらヤだな」と思ったりもしたが、本作の来日会見に行ったところ、真面目で落ち着いた雰囲気の以前と変わらぬ様子の彼がいて、ちょっと安心した。2007年に全米公開が決まった「3」も、当然彼が主演とのこと。恋愛ドラマの続きも、楽しみである。

作品データ

スパイダーマン2
公開 2004年7月10日公開
日劇1ほか東宝洋画系ロードショー
制作年/制作国 2004年 アメリカ
上映時間 2:10
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督 サム・ライミ
出演 トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
アルフレッド・モリーナ
ジェームズ・フランコ
ローズマリー・ハリス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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