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© 2004 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. |
不朽のヒットナンバーに乗せて綴る 稀代の音楽家コール・ポーターの愛と人生 人気ミュージシャンたちの熱唱も見逃せない! 「夜も昼も」「ビギン・ザ・ビギン」をはじめ、生涯で約870曲を作詞・作曲した稀代の音楽家コール・ポーター。1920年代から40年にわたる彼の音楽家としてのキャリア、そして愛や人生を映画化したヒューマン・ストーリー。ポーターのヒットナンバー28曲を全編にちりばめた、ミュージカルファン必見の作品である。 NYのアパートで1人暮らす老齢のコール・ポーターのもと、演出家の友人ゲイブが訪れる。彼に誘われるままポーターが劇場へ行くと、舞台にはポーターの大勢の友人知人、そして亡き愛妻のリンダが現れる。それはまさに、ポーターの半生を顧みる舞台の始まりだった――。 導入は、死を迎えつつあるポーター本人に人生の再現を見せる、という白昼夢のような設定でスタート。1920年代のパリですでに社交界の名士であったポーターの、きらびやかで数奇な半生が事実をもとに綴られてゆく。
本作の見どころは、ポーターのヒットナンバーを人気ミュージシャンたちが歌い上げるシーンの数々。エルヴィス・コステロ、シェリル・クロウ、ナタリー・コールほか、ロックやジャズなど音楽シーンの第一線で活躍する総勢13名が次々と登場。なかでもアラニス・モリセットのように、デカダンでパンチの効いたいつものスタイルとはまったく違う、“ジュディ・ガーランド的な(本人談)”正統派イメージを味わえるのも新鮮で楽しい。 |
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また、ポーター役のケヴィン・クラインも大いに熱演。もともとしっかりとした役作りで知られ、「学生の頃はピアニストや作曲家になる野心を抱いていた」というクライン。撮影前に歌とピアノのレッスンを熱心に重ね、本作では歌もピアノ演奏も吹き替えなしで鮮やかに披露。特に歌に関してはライヴにこだわり、撮影後のスタジオ録音で歌を別録りするのではなく、撮影中に生歌を歌うことを自ら望んで実践したのだそう。そのため全身から音楽が満ちあふれているポーターの姿が、とても自然に豊かに表現されていた。
そして、ファッションにも注目を。1920〜'30年代の社交界でファッションリーダーだった、というポーター夫妻の衣裳の一部は、ジョルジオ・アルマーニ本人が自ら担当。ウェディングドレスや燕尾服、イブニングドレスやジュエリーなどからは、優雅なエレガンスが香り立つ。 個人的には、大好きな曲「Night and Day(夜も昼も)」のエピソードを楽しんだ。セルジオ・メンデス&ブラジル'66のカヴァーで知って以来、10数年間よく聴いている曲のひとつだ。 時代を超えて愛される不朽のナンバーに乗せて展開する、ポーターの愛と人生。天才ならではのエゴイスティックで破滅的なダークサイドは、明るく軽やかなメロディをうけて強いコントラストを焼き付ける。そのくっきりとしたトーンに彩られた彼の物語は、観る者の心に深い余韻を残すだろう。 |
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『五線譜のラブレター』 2004年アメリカ・イギリス合作 |
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2004年10月更新 |
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2004年12月公開
シャンテシネほかにてロードショー |
■2004年 アメリカ・イギリス合作 ■上映時間2:06 ■20世紀フォックス映画配 ■監督・製作/アーウィン・ウィンクラー ■脚本/ジェイ・コックス ■出演/ケヴィン・クライン アシュレイ・ジャッド ジョナサン・プライス ケヴィン・マクナリー アラン・コーデュナー |
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