コンスタンティン 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
コンスタンティン

アメコミのダークヒーローをキアヌが熱演!
地獄が天国に仕掛ける激しい抗争と渦巻く野望を
斬新な映像で描いたオカルト・エンタテインメント



 『マトリックス』後、キアヌ・リーブス主演の最注目作。原作は大人向けのアメリカン・コミックとして人気を誇る『ヘルブレイザー』シリーズより、監督はMTV界で数多くの賞を獲得し、本作が初の長編となる気鋭のフランシス・ローレンス。アクションやオカルト、サスペンスやヒーローものなど、さまざまな要素を巧くミックスした、ハリウッド・エンタテインメントである。


 人間には見えないはずの者たちを見分ける能力をもつ男、コンスタンティン。誰にも理解されない特殊能力に絶望した彼は10代の頃に自殺を図るが、地獄を2分間垣間見た後、現世へと戻る。自殺の罪で死後は地獄行きが確定してしまったことに気づいた彼は、何とか天国へ召されるよう、今日までの人生を現世の悪魔祓いや悪魔との戦いに費やしてきた。しかし自分が昇天するための点数稼ぎが目的の利己的な救済活動は、未だ天使に認められずにいる。そんな中、コンスタンティンは末期の進行性肺がんで余命1年と診断され、地上では悪魔たちの不穏な動きが激化し始めていた。

ミリオンダラー・ベイビー
 まず面白いのは、コンスタンティンはヘビースモーカーで末期の進行性肺がん患者、皮肉屋で利己的で人間嫌い……と、主人公でありながら、それらしくない設定であるところ。また物語は単なる天国V.S.地獄という単純な構造ではなく、天国と地獄の勢力争いが人間界を舞台に繰り広げられ、神と魔王、天使と悪魔、そしてコンスタンティンといった立場の異なる者たちの思惑や野望が混沌としている、という発想がユニークだ。オカルトな世界を描いていながら、キャラクターたちの心理には人間臭さがぷんぷん匂う。そんな俗っぽさがたまらなく可笑しく、共感を誘うのだろう。
コンスタンティン
 また映像センスが素晴らしい。たくさんの窓と聖水のボトルに囲まれたコンスタンティンの部屋、“ドラゴンの息”“聖なるショットガン”などの怪しげな武器、中性的でクラス感と神聖さ、高慢さを感じさせる天使、退廃的でセクシー、下品すれすれの酔狂な雰囲気をまとう魔王の姿など、さまざまなセットや衣装などにおいて、聖なるものと邪なるもののイメージや概念が、スタイリッシュかつ的確に演出されていた。また、現世から恐ろしく荒廃した地獄へとスイッチするシーンなど、観る者をどことなく納得させるインパクトのあるビジュアルは、豊かな感性の結晶。ブリトニー・スピアーズやウィル・スミスを始め、数々のスターたちのミュージック・クリップで磨かれてきたローレンス監督の手腕の賜物だろう


 意外と宗教色の濃厚な本作。人によっては、聖書の解釈、天国や地獄の存在、罪と罰などのことがわかりにくい、矛盾がある、と思う場合もあるかもしれない。ただ、エンタメ作品に絶対的な緻密さを求めていない一個人としては、考えなし、構えなしで思いっきり楽しめた。


 本作の来日記者会見では、質疑応答の回答はヒロインのレイチェル・ワイズやローレンス監督が主に答えて、言葉少なだったシャイなリーブス。またまた本格アクションに体当たりで挑戦した彼は本作について、「最初から最後まで、僕は首をしめられ、殴られ、蹴っ飛ばされてる。マジで楽しい」と茶目っ気たっぷりにコメントしている。


 現世を舞台に、地獄が天国に仕掛ける勢力争い。コンスタンティンの闘いの結末は――? 最後の最後、エンドロールがすべて終わった後の1シーンを、どうぞお見逃しなく!
『コンスタンティン』 2004年アメリカ映画
データ
2005年4月更新

コンスタンティン

2005年4月16日公開
丸の内ピカデリー1ほか
全国ロードショー

■2004年 アメリカ映画
■上映時間2:01
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督/フランシス・ローレンス
■脚本/ケビン・ブロドビン
フランク・カペロ
■出演/キアヌ・リーブス
レイチェル・ワイズ
シャイア・ラブーフ
ジャイモン・フンスー



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。