アルフィー

今も色褪せないサウンドとセンスで知られる
1966年のイギリス作品をアレンジしてリメイク
ジュード演じる色男アルフィーの行く末は?

  • 2005/06/24
  • イベント
  • シネマ
アルフィー

What's it all about, alfie? このフレーズから始まる永遠の名曲を生んだ、1966年のイギリス映画をリメイク。美形のイギリス人俳優ジュード・ロウが、女好きの恋愛至上主義者を軽妙に演じる。サウンドとファッション、映像がとても垢抜けているこの作品。音楽も設定も内容も、オリジナル版からだいぶリニューアルされているとのこと。舞台はロンドンからNYへ。現代のドンファン、ジュード=アルフィーはどこへゆく?

極上の女性との出会いを夢見て、ロンドンからNYへ渡ってきたアルフィー。グッチやプラダを着こなすセンスとスタイルに、整った顔立ち、イギリス男らしく紳士的な彼は、どんな女性でもお手のもの。リムジン運転手をしながら、雇い主の美人妻から料理の上手いシングル・マザー、美容界で成功したビジネス・ウーマンまで、次から次へと関係をもっていく。

アルフィー

“ただ楽しく愉快に生きたいだけ”で、悪気なく周囲を傷つけていくアルフィー。その場のノリと勢いで後先考えない、身体を壊すまで病にかかるなど思ってもいない、自由に生きるには「孤独」がついてくることに気づかない。客観的にみると彼の生き様はあまりにもずさんで乱暴だが、誰もが一度は通った道のようでもある。いつまでたっても同じことを繰り返す、ショックを受けて初めて事の重大さに気づく、遂には自分のしてきたことと似たようなメに遭う。懲りないメゲないアルフィーがわずかながらも学んでいく様はどこか憎みきれず、哀愁と共感を誘う。

アルフィー

サントラ盤のヒットでも有名な1966年のオリジナル作品。本作では、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーと元ユーリズミックスのデイヴ・スチュアートが音楽を手がけ、全編書き下ろしによる曲はどれも良い仕上がりだ。サントラ盤には未収録とのことだが、「アンチェインド・メロディ」ほか往年の名曲が流れるのも胸を突く。シェールやヴァネッサ・ウィリアムスをはじめ、さまざまなアーティストに歌い継がれてきた、バート・バカラックとハル・デヴィッドによるアルフィー曲は、ジョス・ストーンがカバー。18歳の新人でありながらソウルフルで厚みと深みのある迫力の歌声で知られる彼女が、しっとりとジャジーに歌い上げているので、ぜひお聴き逃しなく。

洗練のファッションは言わずもがな。アルフィーの主な衣装は、ベルギーのデザイナー、マルタン・マルジェラをセレクト。シャネルやグッチのシックなドレスを纏うスーザン・サランドン、アルマーニのコートにダナ・キャランのロングブーツをあわせたシエナ・ミラーなど、華のあるコーディネイトが楽しめる。

アルフィー

ちょい役の『アビエイター』や声だけの出演の『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』、メインを演じた『クローサー』『ハッカビーズ』と、出演作の日本公開が目白押しのジュード。本人としてはダメな色男の骨頂を演じることに抵抗があったようだが、人間らしさがよく伝わるよう演じられていた本作が、これらの中では役者として一番映えていたように思える。

本作で運命的な恋人同士を演じたジュードとシエナは、先日婚約を発表。バツ1で前妻サディ・フロストとの間に3人の子供がいるジュードと、以前はオーランド・ブルームと付き合っていたという美形好みの若いシエナはこのまま幸せなゴールインを迎えるか? 映画ばりにドラマティックな展開を迎えた2人の今後も、大いに楽しみである。

作品データ

アルフィー
公開 2005年7月9日公開
日比谷シャンテ・シネほか全国順次ロードショー
制作年/制作国 2004年 アメリカ
上映時間 1:45
配給 UIP映画
脚色・製作 チャールズ・シャイア
エレイン・ポープ
原作戯曲・オリジナル脚本 ビル・ノートン
音楽 ミック・ジャガー
デイヴ・スチュアート
ジョン・パウエル
出演 ジュード・ロウ
マリサ・トメイ
シエナ・ミラー
スーザン・サランドン
ニア・ロング
オマー・エップス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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