ブラッド・ダイヤモンド 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
ブラッド・ダイヤモンド

巨大なピンク・ダイヤの原石は
苦しむ人々と大地の運命をどこへ導くのか
アフリカの過酷な情勢と紛争ダイヤの真実を伝える



 大地が数億年かけて生み出す奇跡の結晶ダイヤモンド。アフリカの内戦地域の産出国では、不法なダイヤモンドが武器の購入に使われる取引が後を絶たない。本作ではアフリカ産の不法なダイヤが出回る裏事情と、それにまつわる深刻なドラマを描く。出演はレオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー、監督は『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィック。ダイヤに対する意識が大きく変わる、社会派サスペンスである。


 1999年、内戦が続くシエラレオネ共和国。メンデ族の漁師ソロモンは妻子とともにつましくも幸福に暮らしていたが、反政府軍RUFの残虐な襲撃をうけて集落は壊滅。妻子と生き別れて拉致されたソロモンは、RUFの資金源であるダイヤモンド採掘場で労働を強要される。ある日、巨大なピンク・ダイヤの原石を見つけたソロモンは、政府軍の攻撃の混乱に乗じて密かにそれを隠すが、RUFの強欲なメンバーと不法ダイヤの密売人アーチャーに目をつけられる。
ブラッド・ダイヤモンド
 巨大なピンク・ダイヤは、ソロモンにとって家族と再会するための切り札であり、密売人のアーチャーにとって完全な自由を得るための代価であり、紛争ダイヤのからくりを暴こうとする米国人ジャーナリスト、マディーにとっては不正を立証するための証拠品。誰が目的を果たすことができるのか、紛争ダイヤのからくりとは、RUFも政府軍も狙うピンク・ダイヤの行方は? 内戦、少年兵、難民、密売というアフリカの切迫した悲惨な状況と、紛争ダイヤがどのような背景を負っているのか、その事情がありありと示される。


 ディカプリオはアフリカ生まれの白人アーチャー役で熱い演技を披露。とても入れ込んで役作りをしたという本作では、久しぶりに役者として強い光を放っている。アフリカ出身で支援活動をしているフンスーは家族をひたむきに守ろうとするソロモン役で純粋な魂を、知的な役柄に定評のあるコネリーは危険を冒しても正義を貫こうとするマディーの熱いジャーナリズムをよく表している。
ブラッド・ダイヤモンド
 ほぼ全編をアフリカで撮影した本作について、監督は語る。「アフリカはどこへ行っても息をのむほど美しい風景とひどく不潔なスラム街があって、豊かな精神性と深刻な飢餓が同居している。なにもかもが生々しくて、全員が影響を受けたよ」。ロケでは環境に配慮し、撮影が終わるたびに現場を原状に復元。キャストやスタッフは現地の支援施設を訪問し、撮影で使用した建材、小道具、衣装などを地元の孤児院や病院に寄付。ポケットマネーの寄付から“ブラッド・ダイヤモンド・チャリティ基金”が発足し、多岐に渡る目的のために今も活動が続けられているという。


 国連による紛争ダイヤモンド問題の制裁により、今もリベリアやコートジボワールはダイヤの輸出を禁止されているとのこと。このまま不法取引で資源が不毛に流出していくのを見過ごしてばかりではなく、正当な取引の流れを確立して関係国のダイヤを扱い、その利益によって自らの力で国民生活全体の底上げができるようになれればと思うが、それは内戦の問題で難しいのだろうか。
『ブラッド・ダイヤモンド』2006年 アメリカ映画
データ
2007年3月更新

ブラッド・ダイヤモンド
2007年4月7日公開
サロンパス ルーブル丸の内ほか
松竹・東急系にて全国ロードショー

■2006年 アメリカ映画
■上映時2:23
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督/エドワード・ズウィック
■脚本/チャールズ・レビット
■原案/チャールズ・レビット
C.ゲイビー・ミッチェル
■出演/レオナルド・ディカプリオ
ジャイモン・フンスー
ジェニファー・コネリー
カギソ・クイパーズ



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
CSホロス株式会社代表取締役。フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。これまでに取材した人数は600人以上、2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』でコラム“シネマ・アロマ”を担当。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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