ハリー・ポッターと謎のプリンス 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
クララ・シューマン 愛の協奏曲

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ダンブルドア校長は闇の帝王を倒すべく準備を開始。
ハリーと仲間たちの間には恋が芽生え始め……
シリアスなバトルありラブコメあり、最終章の第一幕


 あと2作でエンディングを迎えるハリー・ポッターシリーズの第6弾。出演はおなじみのダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、監督は’07年の前作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のデイビッド・イェーツ、脚本はシリーズ1〜4作を担当したスティーブ・クローブス。魔法界も人間界をも破滅させるヴォルデモートの過去を追い、思春期を迎えたハリーたちの恋のエピソードを描くシリーズ最新作である。


 闇の帝王ヴォルデモートの復活により、魔法界にも人間界にも暗黒の異変が起こっている。ダンブルドア校長はハリーをヴォルデモートとの最終決戦に送り出す決意を固め、準備を開始。ヴォルデモートに打ち勝つため、以前にホグワーツで魔法薬学を教えていたホラス・スラグホーンを教師として復帰させ、ヴォルデモートが闇の帝王となる前、少年トム・リドルだった過去を探ることに。そして魔法薬学の授業でハリーが資料棚から見つけた古い教科書には、緻密な書き込みによって薬学や魔法について画期的な改良がなされ、“半純血のプリンス”というサインが入っていた。一方、ハリーやロン、ハーマイオニーやロンの妹ジニーたちは互いを異性と意識するようになり、ときめいたりすれ違ったり、慣れない感情に戸惑って右往左往していた。
リー・ポッターと謎のプリンス
 闇の帝王の過去をつきとめ、絡まった恋の行方をたどり、衝撃の事件ののちにハリーは新たな決意を宣言する。シリアスなサスペンスありラブコメディあり、クィディッチの試合や闇の帝王がらみの対決などアクションもあり、それなりに明確な流れや見せ場はあるものの、最終章の第一幕といった感じで全体的にどこか地味目。壮大なクライマックスの序章であり、本作の最後のある事件が重要な節目である伏線となるだろう印象だ。


 ラドクリフ、グリント、ワトソンらメインのキャストたちはいつも通りに好演。小学生だったハリーも少年になり、冒頭では彼がカフェの美人ウェイトレスと軽くデートの約束を交わす場面では「成長したなあ」と思わずしみじみ。マイケル・ガンボンが演じるダンブルドア校長は最終決戦に向けて集中し、ヘレナ・ボナム=カーターが演じるベラトリックスは暴走族さながらに暴れまわり、アラン・リックマン演じるスネイプ先生はトム・フェルトンが演じるハリーのライバルのドラコとつながり、オスカー俳優のジム・ブロードベントが演じるスラグホーン先生はセレブ生徒をえこひいきし、ボニー・ライトが演じるロンの幼い妹ジニーは溌剌とした少女に成長するなど、それぞれの特徴を打ち出している。個人的に気に入っているキャラクターは、イバンナ・リンチが演じる不思議系の少女ルーナ。単行本でも人気が高いキャラとのことで、マイペースでほのぼのしながら魔法に長けているところが魅力的だ。またヴォルデモートの少年時代、11歳のトム・リドル役を演じたヒーロー・ファインズ・ティフィンは、ヴォルデモートを演じるレイフ・ファインズの実の甥とのこと。映画は2作目の出演ながら、堂々たる存在感を印象付けている。
トム・フェルトン
 さて、シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』は2部作として、’10年と’11年に公開予定。本作を手がけた監督&脚本コンビがラスト2作も担当するとのこと。最終決戦の結末は? どのような経緯でそれはなされるのか? 登場人物たちの恋の行方、ハリーの将来は? グランドフィナーレまであと2年。まずはその第一幕をご覧あれ。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
2008年 ドイツ・フランス・ハンガリー合作

データ
2009年7月更新

2009年7月15日公開
丸の内ピカデリーほか
全国ロードショー

■2008年 イギリス=アメリカ
■上映時間 2:34
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督/デヴィッド・イェーツ
■脚本/スティーブ・クローブス
■原作/J.K.ローリング
■出演/ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
ジム・ブロードベンド
ヘレナ・ボナム=カーター
ロビー・コルトレーン
マイケル・ガンボン
アラン・リックマン
マギー・スミス
トム・フェルトン
イバンナ・リンチ
ボニー・ライト







プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
CSホロス株式会社代表取締役。フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。これまでに取材した人数は600人以上、2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』でコラム“シネマ・アロマ”を担当。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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