バレンタインデー 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
バレンタインデー

© MMIX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.
映画やドラマで人気のスター俳優が豪華共演
2月14日に右往左往する男女15人を描く
アットホームなロマンティック・コメディ



 ジュリア・ロバーツやアン・ハサウェイ、アシュトン・カッチャーやジェイミー・フォックスなど人気俳優たちがこぞって出演。『プリティ・ウーマン』の監督ゲイリー・マーシャルが、2月14日に起こる悲喜こもごもの恋愛模様を軽妙に描く。ロサンゼルスを舞台に、老若男女15人が織り成すさまざまなバレンタインデーの1日を追うロマンティック・コメディである。


 2月14日の朝。花屋の若き店主リードはベッドで眠る恋人モーリーにプロポーズし、彼女は驚きながらも「イエス」と返事。小学校教師のジュリアは理想の恋人である医師ハリソンがバレンタインの日に出張でスネている。タレントエージェーンシーの秘書リズと同僚の真面目な青年ジェイソンは初めて迎えた一緒の朝にベッドでじゃれ合う。老夫婦のエステルとエドガーは出逢って50年以上たった今もラブラブ。仕立てのいいスーツを着こなすホールデンは軍服の美人ケイトとロス行きの飛行機で隣同士になり、親しくなろうと心を躍らす。
クイーン・ラティファ、アン・ハサウェイ
 お約束のわかりやすい展開あり、ほんのちょっと予想外な設定あり、ご都合主義的なありえないエピソードもご愛嬌。ポスターや宣伝映像からイメージされるとおり、映画『ラブ・アクチュアリー』さながらのほのぼのとした恋愛群像劇である。初恋をする10歳に初体験しようと躍起になるティーンエイジャー、恋愛に浮かれる20代に恋愛の失敗や痛みを知る30代、淡々と仲睦まじい老年まで、幅広い年齢層をカバー。花屋や教師、医師やマスコミなどいろいろな業種が登場し、「観客が誰かに感情移入できるように」という製作側の意図は明快だ。個人的には誰に共感したかというより、それぞれのシチュエーションや軽妙な会話のやりとりにちょっとしたリアリティを感じて楽しめた。


 魅力はなんといっても豪華なアンサンブルキャスト。マーシャル監督の『プリティ・ウーマン』でブレイクしたジュリア・ロバーツは軍服のお堅い大尉ケイト役、マーシャル監督作『プリティ・プリンセス』でデビューしたハサウェイはエロで下品な言葉を悪びれずに連呼するサバけたリズ役に。2人とも役がやや不似合いなところが面白く、男性から見たらその意外性が新鮮な魅力に映るかも。陽気な花屋のリード役はカッチャー、キャリアウーマンの彼の恋人モーリー役はジェシカ・アルバ、リードの親友で教師のジュリア役はジェニファー・ガーナー、彼女の恋人の医師役は医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』で人気のパトリック・デンプシー、老夫婦の妻役にシャネルを演じたことが記憶に新しい大女優シャーリー・マクレーン、夫のエドガー役はマーシャル監督映画のすべてに出演しているヘクター・エリゾンド、アメフト選手のPRを担当するパブリシストのカーラ役をジェシカ・ビール、その上司にクイーン・ラティファ、スクープを狙うスポーツキャスターのケルビン役はフォックスが演じ、皆それぞれのキャラクターをいい感じに表現。また女子高生グレース役としてジュリア・ロバーツの姪エマ・ロバーツが出演し、ハイテンションな同級生フェリシア役として第52回グラミー賞でアルバム・オブ・ジ・イヤーを含む4冠を獲得した実力派のシンガー・ソングライター、テイラー・スウィフトが映画デビューを果たし、本作のエンディング・テーマ曲として新曲「Today Was A Fairytale」を提供したことも話題に。
パトリック・デンプシー、ジェニファー・ガーナ
 劇中でカーラが毎年恒例で主催している“バレンタイン大嫌い”ディナーは、本作の脚本を手がけたキャサリン・ファゲイトが実際に毎年開いていたというユニークな裏話も。また原案のサポートとして、’09年にアメリカでヒットした映画『そんな彼なら捨てちゃえば?』の脚本家コンビ、アビー・コーンとマーク・シルバースタインがクレジットされている。


撮影はすべてロサンゼルスとその周辺にて。ダウンタウンのディズニー・コンサート・ホールやカラフルな花々が並ぶロサンゼルス花市場、ハリウッド大通りやその看板類、ベニス運河など有名スポットの数々が映画の背景として効果的に生かされている。また名優たちが眠る墓地ハリウッド・フォーエバー・セメタリーはクラシック映画の野外シアターとしても親しまれているそうで、劇中ではマクレーンの若き日の出演作である1958年の映画『Hot Spell』を上映。リズのデートシーンには、“『プリティ・ウーマン』のホテル”ことビバリー・ウィルシャー・ホテルが使われ、遊び心も満載だ。


バレンタインデー。それは「誰もがプレッシャーを感じる日」とは、好きな子に告白しようとしている10歳の孫エディソンに祖父がかける言葉。マーシャル監督は語る。「この映画を観て、恋人との関係を発展させたり、誰かと恋に落ちたりする人が出てきてくれるといいね。ただし、恋人がいようがいまいが、バレンタインデーはストレスになりやすいから、その点は覚悟したほうがいい」。さて恋人や家族や友達、親しい人たちと楽しく過ごしたいバレンタインシーズンに、この映画はふさわしいかどうか? もちろん大ハズレということはない。まずまずの無難なハッピームービーである。 
『バレンタインデー』 2009年 アメリカ映画
データ
2010年2月更新

ジェニファー・ガーナー、アシュトン・カッチャー

2010年2月12日公開
丸の内ルーブルほか
全国ロードショー

■2010年 アメリカ映画
■上映時間2:05
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督/ゲイリー・マーシャル
■脚本・原案/キャサリン・ファゲイト
■原案/アビー・コーン
マーク・シルバースタイン
■出演/アシュトン・カッチャー
ジェニファー・ガーナー
ジェイミー・フォックス
ジェシカ・ビール
ジュリア・ロバーツ
アン・ハサウェイ
パトリック・デンプシー
ブラッドリー・クーパー
シャーリー・マクレーン
ヘクター・エリゾンド
ジョージ・ロペス
ジェシカ・アルバ
キャシー・ベイツ
エリック・デイン
トファー・グレイス
クイーン・ラティファ
テイラー・ロートナー
エマ・ロバーツ
テイラー・スウィフト



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
CSホロス株式会社代表取締役。フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。これまでに取材した人数は600人以上、2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』でコラム“シネマ・アロマ”を担当。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
あつた美希