アメフトの新人スター選手の実話を映画化
孤独な黒人少年が情に厚い白人一家と出会い、
愛とサポートで幸せをつかむ姿を描く感動作
プロのアメフト・リーグNFLの新人スター選手マイケル・オアーが歩んできた波乱の半生を描く物語。出演は全米の“’09年マネーメイキングスターTOP10”でNo.1となったサンドラ・ブロック、グラミー賞をはじめ数々の受賞歴を誇るカントリーミュージックのスターであり俳優としても活躍するティム・マッグロウ、『ミザリー』のオスカー®女優キャシー・ベイツ、そして本作がメジャー映画初出演となる新人俳優クイントン・アーロン。監督・脚本は『オールド・ルーキー』のジョン・リー・ハンコック、原作はノンフィクション作家マイケル・ルイスが’06年に発表した『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』。孤独な黒人少年と情に厚い白人ファミリーの間に築かれていく絆と、家族の愛とサポートによって少年が夢をつかむ姿を描く、ストレートな感動作である。
アメリカのテネシー州メンフィス。確かな年齢は不明、住所も不定。10代の少年マイケル・オアーはホームレス同然に暮らしている。裕福な白人の主婦リー・アン・トゥーイは、真冬の夜にTシャツと短パン姿で町をさまようマイケルを自宅に泊める。それをきっかけに個性的で人情に厚いトゥーイ一家は、心根の優しいマイケルと一緒に暮らすように。新たな支えを得たマイケルは学校で真面目に勉強し、アメリカン・フットボールで抜きん出た才能を発揮するようになる。
世話焼きでエネルギッシュなママが苦労人の少年をサクセスへと導く、直球のヒューマンドラマ。この映画の最もスゴイ点は、こんなに気持ちのいいエピソードが実際にあった出来事で、このファミリーは今も変わらず皆で仲良く過ごしているというところ。人間味のある魅力的なキャラクターたちに俳優の配役もぴったりだ。
白人にして“ビッグママ”の迫力と貫禄をもつリー・アン役はブロックが痛快に表現。実際にリー・アン本人と会ったブロックは、彼女の“説明しようのないエネルギー”について語る。「彼女はどんなことであろうとも、自分のやり方でやり遂げる人なの。彼女のような人がもっといたら、世界はずっと良くなるはず。もっと協調性のある、生産的な場所になるということね」。寛大で包容力のある陽気な夫ショーン役はマッグロウが、思いやりのある長女コリンズ・トゥーイは若手女優のリリー・コリンズが、やんちゃで利発な弟S・J役はTVでも活躍中の子役ジェイ・ヘッドが、マイケルの家庭教師ミス・スー役はベイツが、そしてすさんだ環境で育った巨漢でありながら穏やかな気性のマイケル役は、優しい瞳のアーロンが好演。撮影現場で子供たち3人は意気投合し、本当の姉弟のように仲良く過ごしていたというエピソードも微笑ましい。家族がマイケルについて「そのラガーシャツはやめなよ。大きな蜂みたいだ」「(学校では)まるでミルクに蝿が一匹落ちたみたいよ」と差別的に聞こえるほどズケズケ話していても嫌な感じがしないのは、何をどう言おうと彼を家族として大事にしていること、家族が自然に注ぐ愛情のぬくもりが伝わってくるからだ。
そもそも原作者マイケル・ルイスはソロモン・ブラザーズに勤務後、’89年に作家に転身し、金融やスポーツなどをテーマに執筆しているノンフィクション作家。リー・アンの夫ショーン・トゥーイとたまたま同じ高校出身だったルイスは、野球部のコーチについて記事を書こうと高校時代の旧友に取材を申し込んだことをきっかけにマイケルと出会い、彼らのエピソードを知ったとのこと。実際のトゥーイ一家は自分たちのことが美談として小説や映画になり、大々的にヒットしていることには少し困惑しているそう。トゥーイ一家の父親ショーン本人は言う。「マイケル・ルイスは当初、軽い気持ちでちょっとした記事を書こうとしていただけだった。どうしてこんなおおごとになったのか、僕らは今でもまだわからないんだ。ちょっとした記事が小説になり、それが映画になったんだからね」。
’09年4月、マイケル・オアーはNFLのボルティモア・レイブンズにドラフト指名されて5年契約が決定。マイケルは語る。「僕よりもっと才能にあふれていながら、それを発揮できずにいる人たちがいる。僕の物語を観てもらうことで、チャンスを与えられたら希望をもてる人がいることを、人々に知ってもらえれば嬉しい」。エンドロールには実際のマイケルをはじめトゥーイ一家や家庭教師ミス・スーの写真が登場。彼らの写真はドラマ同様に幸せいっぱいだ。心優しい孤独な少年が周囲のサポートで幸せをつかむ感動作。この映画の内容は、マイケルを育てたリー・アン本人のコメントがよく表している。「どこにでも、マイケル・オアーは存在している。家と家族を必要とする素晴らしい子供たちがいる。その子供たちがフットボールやほかの何かに秀でている必要はないの。ただ愛し、愛されるだけでいいのよ」。
公開 | 2010年2月27日公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー |
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制作年/制作国 | 2009年 アメリカ |
上映時間 | 2:08 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
監督・脚本 | ジョン・リー・ハンコック |
原案 | マイケル・ルイス |
出演 | サンドラ・ブロック クイントン・アーロン ティム・マッグロウ リリー・コリンズ ジェイ・ヘッド キャシー・ベイツ |
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