ハングオーバー!!! 最後の反省会

世界的に大ヒットした酔っ払いコメディがついに完結!
はじまりの地ラスベガスで奴らと悪党が右往左往!
懲りない男たちの物語をあざやかに締めくくる!

  • 2013/06/14
  • イベント
  • シネマ
ハングオーバー!!! 最後の反省会© 2013 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES

4年前、第1作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でR指定コメディとして全米歴代最高の興行収入を記録し、ほぼ無名だった監督と俳優たちを一気に世界的な人気者にした“ハングオーバー”シリーズが3作目でついに完結! 出演はいまやハリウッドの人気俳優のひとりであるブラッドリー・クーパー、スタンダップ・コメディアンからキャリアをはじめ、TVや映画で活躍する俳優となったエド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ケン・チョンほか主要メンバーのみならず、前2作に出演した俳優たちが集結。監督・脚本・製作は本シリーズの生みの親トッド・フィリップスが手がける。以前に増して様子がおかしいアランは、専門の医療施設に入り治療を受けることに。アランをなだめながら施設まで送り届けるためにフィル、ステュ、ダグが顔をそろえ、4人はまたまた不吉な旅へ。すったもんだの末にはじまりの地ラスベガスに立ち戻り、ひとつひとつに決着をつけてゆく。ハチャメチャなコメディとしてのみならず、友情と愛にまつわるエピソードもさくっと織り交ぜ、ドラマとしてあざやかに締めくくる、シリーズ完結編である。

トラブルメーカーのアランは半年前から精神安定剤の服用をやめ、最近ますます様子がおかしい。ペットにしようと生きたキリンを買ったことから惨劇を巻き起こし、アランの父は激昂して説教をするうちに急死。アランの義兄であるダグは、仲間のフィルとステュ、家族を交えて説得し、アランは専門の医療施設に入ることになる。ごねるアランをなだめながらフィル、ステュ、ダグら4人で施設に向かって車を走らせていると、見知らぬトラックに車ごと体当たりされ、わけのわからないまま拉致されてしまう。そのころ、2年前に4人を散々な目に遭わせてタイのバンコクで逮捕・収監された中国人マフィアのボス、ミスター・チャウが脱獄に成功していた。

ジャスティン・バーサ、ザック・ガリフィアナキス、エド・ヘルムズ、ブラッドリー・クーパー

「腐れ縁なんだ。これから一生付き合っていくんだよ。アランには俺たちしかいないんだ!」。すでに結婚しているフィル、ステュ、ダグの3人と42歳の問題児アラン、狼軍団(ウルフパック)のこれからとは。コメディシリーズの宿命で第1作が一番面白く、2作目は失速という流れはあったものの(第2作の興行収入は第1作を上回る。が、ドラマ性が大幅に荒くなり評価も低い)、完結編の3作目にして挽回。これまでにあったいくつかの伏線にケリをつけていくさまがなかなかおもしろい。そして前2作からのお約束であるバチェラー(独身)パーティーも結婚式もなしで4人の旅がスタートする。

妻子もちの教師、リーダー格のフィル役はクーパーがカッコよく、2作目で結婚してちょっと自信がついた歯科医ステュ役はヘルムズがやはりテンパりまくり、トラブルメーカーのアラン役はガリフィアナキスが馬耳東風でトラブルを招きよせ、ダグ役のバーサはまたもや誘拐されて。4人は奇妙な組み合わせなのにどことなく馬が合い、アランのせいでどんなにひどい迷惑をかけられトラブルに見舞われても、フィル、ステュ、ダグの3人は彼を見捨てようとはしないところがいい。そして中国人マフィアのボス、ミスター・チャウ役のケン・チョンが大暴れ。そのコテコテのクドい存在感と、パラシュートでギラギラ光るベガスの夜空を舞うアクションは見どころのひとつだ。そしてシリーズのキャラクターもこれまで通り、アランの父親シド役をジェフリー・タンバー、第1作で短期間のみステュの妻となったジェイド役をヘザー・グラハム、アランの姉トレイシー役をサーシャ・バレス、いまのステュの妻ローレン役をジェイミー・チャン、アランの母親リンダ役をソンドラ・カリー、フィルの妻ステファニー役をジリアン・ヴィグマン、ヤクの売人“黒いダグ”役をマイク・エップスが再演し、初登場となるギャングのボス、マーシャル役はベテランのジョン・グッドマンが演じている。再出演でいちばん愉快なのはジェイドのベビー、タイラー役のグラント・ホルムクィストが4歳になり、すくすく育ったタイラー役をそのまま演じていること。監督も再会を喜び、「かわいいほっぺは健在だし、つぶらな青い瞳は今も変わらない。グラントはプロの子役ではないけれど、顔合わせをしたときからとても落ち着いていたんだ。懐かしかったし、また一緒に仕事ができて嬉しく思っているよ」 と語っている。

ケン・チョン、エド・ヘルムズ、ブラッドリー・クーパー

撮影はラスベガスを中心に。本シリーズのヒットによりラスベガスは“聖地”となり、カジノには“ハングオーバー”のスロットマシーンが並び、ギフトショップではウルフパックのTシャツをはじめタイアップのグッズが販売され、観光客に人気とのこと。路上ではアランのそっくりさんが観光客と記念撮影……という光景もあるとか。クライマックスの舞台は4人の不運のスタート地点「シーザーズ・パレス・ホテル&カジノ」となり、決着をつけることと相成る。シーザーズ・パレスはもともとラスベガスの名所であったものの、映画の影響から屋上にのぼろうとするひとが続出して警備員を困らせているとも。かの名物、噴水ショーはアクションシーンの背景として空撮で美しくおさめられている。

ジャスティン・バーサ、ジョン・グッドマン、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ブラッドリー・クーパー

このシリーズでは3作品通して、キャストもスタッフも変わることなく同じメンバーで作ってきたとのこと。フィリップス監督は語る。「(撮影初日から)この5〜6年間と三部作を振り返ると、楽しい思い出ばかりだね。みんなでバカなアイデアを出したり、ロケに出かけたり……。最終日に最後のシーンを撮り終えたときは特別なことが終わったんだなと実感したよ。そんな映画を撮らせてもらえるなんて、めったにできない贅沢さ。おまけに、観客に愛されるキャラクターを育てることもできた。ストーリーの幕引きとしてもウルフパックへのはなむけとしても、最高の形でしめくくることができたんじゃないかな」。各キャラクターにカタをつけて、ラストに……というオチをつけるあたり、“おあとがよろしいようで”と添えたくなるほど物語の構造としてすっきりさわやか。狼軍団ほどではないにしろ、今日も世界のどこかで誰かが酔っ払う。さて、酒よりドラッグより金よりギャンブルより、懲りない男たちにいちばん効くものとは?

作品データ

ハングオーバー!!! 最後の反省会
公開 2013年6月28日公開
丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2013年 アメリカ
上映時間 1:40
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 THE HANGOVER Part V
脚本・監督・製作 トッド・フィリップス
脚本 クレイグ・メイジン
出演 ブラッドリー・クーパー
エド・ヘルムズ
ザック・ガリフィアナキス
ケン・チョン
ヘザー・グラハム
ジャスティン・バーサ
ジョン・グッドマン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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