eHills Club 試写会日記

毎週、映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ! 傑作でもB級でも映画ってやっぱり素敵!!

アナと雪の女王2

不思議な声に導かれ、姉妹と仲間たちは新たな旅へ
試練の果てにたどり着く、エルサの“力”の秘密とは?
人気Wヒロインの新たな冒険を描くスペクタクル作品

アナと雪の女王2©2019 Disney. All Rights Reserved.

アニメーション映画として世界興行収入歴代No.1を記録し、アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞、ディズニー・アニメーションの代表作となった『アナと雪の女王』の続編が完成。スタッフとキャストは前作から続投、声の出演に新たなメンバーが参加。声の出演は、トニー賞受賞女優のイディナ・メンゼル、ドラマ「ヴェロニカ・マーズ」シリーズのクリステン・ベル、『美女と野獣』のジョシュ・ギャッド、ドラマ『glee/グリー』のジョナサン・グロフ、新メンバーはドラマ「ウェストワールド」のエヴァン・レイチェル・ウッド、『ブラックパンサー』のスターリング・K・ブラウンほか。監督は’70年代からアニメーターとして活動してきたベテランのクリス・バックと、前作で女性初のディズニー長編アニメーション監督デビューをしたジェニファー・リーが手がける。あれから3年、深い絆で結ばれたアナとエルサの姉妹は王国を治めながら、仲間たちと幸せに暮らしている。ある日、エルサだけが不思議な“声”を聴き……。なぜ、エルサに力が与えられたのか、両親が危険な船旅へでた理由とは。前作で描かれなかったエピソードとともに、人気Wヒロインの新たな冒険を描くスペクタクル・エンターテイメントである。

アナと雪の女王2

真実の愛によって姉妹の絆を取り戻したエルサとアナ。あれから3年、エルサはアレンデール王国の女王となり、妹の王女アナ、アナの恋人のクリストフ、雪だるまのオラフと共に幸せに暮らしていた。ある日、エルサにだけ聞こえる不思議な“声”に導かれ、大勢の人々に自由と安全をもたらすため、姉妹はクリストフとオラフと共に旅に出る。そして数々の試練に立ち向かうなか、エルサに与えられた“氷を自在に操る力”の秘密につながってゆく。

2014年にディズニー初のWヒロイン作品として、魅力的な音楽や映像により世界的に大ヒットし、90年以上続く歴代ディズニー作品のトップとなった“アナ雪”の続編。数字としては、世界興行収入が約12億ドル(約1279億円、1ドル106.66円換算)を超え、アニメーション映画として歴代No.1に。大勢のファンからの期待に応えて、前作のスタッフとキャストにより5年後に完成した本作は、新たな挑戦、冒険は続いてゆく、といったポジティブなストーリーとなっている。2019年11月7日(現地時間) にアメリカ・ロサンゼルスで行われた本作のワールドプレミアにて、クリス・バック監督は本作に込めた思いを語った。「なぜエルサはあの“力”を持つようになったのか、その答えを一生懸命だそうという想いで、この作品を作り上げたよ」

アナと雪の女王2

アレンデール王国の女王となったエルサ(声:イディナ・メンゼル)は24歳になり、アナや仲間たちとの穏やかな暮らしを大切にしている。21歳となったアナ(声:クリステン・ベル)は愛する姉エルサと恋人クリストフや仲間たちと一緒に明るく元気に。このままこれまで通りの平穏な暮らしを続けたいという気持ちと、自分のさらなる可能性に向かっていきたいという思いで葛藤するエルサの様子は、誰にでもあることなので共感を誘う。エルサが魔法で作った“心温かい雪だるま”オラフ(声:ジョシュ・ギャッド)は相変わらず無邪気なムードメーカーとして、クリストフ(声:ジョナサン・グロフ)はアナに改めて愛を伝えようと心を砕くさまを健気に、他界した姉妹の母親でアレンデールの前王妃イドゥナ(声:エヴァン・レイチェル・ウッド)は、姉妹の思い出のなかで優しく愛情深く、他界した姉妹の父である前国王アグナル(声:アルフレッド・モリーナ)に仕えていた、マティアス少尉(声:スターリング・K・ブラウン)は主(あるじ)に忠実な兵士として実直に、くっきりとした個性のキャラクターたちがそれぞれ魅力的に描かれている。注目の新しいキャラクター、サラマンダーは炎をまとう水色のとかげ。古くから4大元素のうち火を司る精霊としてさまざまな伝承や神話に登場する“サラマンダー”が、かわいらしくアレンジされている。
 日本語吹き替え版の声の出演は、前作に引き続き松たか子、神田沙也加、原慎一郎、新たに武内駿輔、洋画アニメの声優は初となる吉田羊が参加している。

本作も前作同様にミュージカル仕立てで、楽曲が充実。動画サイトで多くの曲を「DisneyMusicVEVO」として英詞つきで公式に公開している。歌曲は前作に引き続き、ロバート・ロペス&クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻が担当。夫妻は「Let It Go」で第86回アカデミー賞主題歌賞、第57回グラミー賞2部門を受賞。これによりロバート・ロペスは、エミー(Emmy)賞・グラミー(Grammy)賞・アカデミー(Oscar)賞・トニー(Tony)賞の4つの賞を受賞した12人目の人物となり、10年という最短記録で“EGOT”を達成した。本作で、未知の世界への不安と勇気を歌うメインの曲「Into the Unknown」は、エルサを演じるイディナがパワフルなヴォーカルで朗々と歌い上げるバージョン、吹き替え版で松たか子が日本語で歌う「イントゥ・ジ・アンノウン〜心のままに」、エンドソングでパニック!アット・ザ・ディスコがポップに歌うバ―ション、3パターンが楽しめる。またエルサ、アナ、クリストフ、オラフが変わらない愛や友情を会話調で歌うアンサンブル曲「Some Things Never Change」、イドゥナが娘たちに歌う子守唄「All is Found」、イドゥナとエルサの母娘デュエットよる「Show Yourself」ほか、陽気なサウンドや美しいメロディの楽曲が満載だ。エンドソングではパニック!アット・ザ・ディスコをはじめ、ケイシー・マスグレイヴス、ウィーザーら人気アーティストが劇中曲を歌うバージョンも。個人的に面白かったのが、クリストフが愛の迷いや苦しみを歌う「Lost in the Woods」。バラードをシリアスにカッコつけて歌うなか、トナカイたちと合唱したり、コミカルに分身した数人の自分とデュエットしたり、悩みながらも恍惚として、実は苦悩も誇らしげといった感じなど、恋愛の真剣さとアホになってしまう側面をいい塩梅で表現している。考えてみると、山男のクリストフが王女アナと恋人になるのは、先住民族の素朴な青年が愛と誠意で姫とハッピーになるという男版シンデレラ・ストーリーで。たくましいWヒロインとともに、彼女たちを愛し支える新世代の“プリンス・チャーミング”を打ち出す感覚がユニークだ。

アナと雪の女王2

前作のスタッフとキャストが続投し、ハッピーエンドのその先を描く本作。前作で共同監督を手がけ、女性初のディズニー長編アニメーション監督となったジェニファー・リーは、2018年にウォルト・ディズニー・スタジオ制作部門のトップに就任。本作のもうひとりの監督であるベテランのクリス・バックは、2015年の短編『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』を手がけるなど引き続き活躍している。監督2人は本作に込めた思いやテーマ性について、このように語っている。
 クリス・バック「本作では、キャラクターたちが前作から成長しているのを目の当たりにすることになる。彼らは人生を変える壮大な旅に出かけることになるんだ」
 ジェニファー・リー「『アナと雪の女王』と『アナと雪の女王2』は2作で1つの完成された物語。アナとエルサの愛が彼女たちを突き動かすの。本作でも姉妹愛が物語の核となり、その強さが冒険を進める力となるのよ」
 『アナと雪の女王』は今回で“完結”とのことだが、果たして。これだけの人気作品なので、キャラクターのスピンオフやさらなる続編は、世界中のファンが期待するに違いない。今後は、世界中のファンからの要望と、製作スタッフがその期待以上に応える企画ができればあるいは……ということもあるのだろうか。まずは前作で生まれたさまざまな疑問や謎について明らかにし、かつ前作では描かれなかった世界観や季節を描く、伝説的作品の完結編である本作がどこまで盛り上がるのか、楽しみだ。

2019年11月25日更新

作品データ

公開 2019年11月22日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2019年 アメリカ
上映時間 1:43
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題 Frozen II
監督 ジェニファー・リー
クリス・バック
製作 ピーター・デル・ヴェッコ
歌曲 ロバート・ロペス
クリステン・アンダーソン=ロペス
声の出演 クリステン・ベル
イディナ・メンゼル
ジョナサン・グロフ
ジョシュ・ギャッド
吹き替え版の声の出演 松たか子
神田沙也加
武内駿輔
原慎一郎
吉田羊
ライター:あつた美希 CSホロス株式会社代表取締役。フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを担当。2015年よりフレグランスジャーナル社『アロマトピア』でコラム“シネマ・アロマ”を、2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。インタビュー記事の執筆も。