中島みゆきの名曲から着想を得た物語を映画化
W主演の菅田将暉と小松菜奈をはじめ実力派が集結
平成から令和を迎えるまでの18年を描く恋愛ドラマ

  • 2020/06/30
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糸©2020映画『糸』製作委員会

中島みゆきの名曲「糸」から着想を得たオリジナルのストーリーを映画化。出演は、W主演となる『あゝ、荒野 前篇/後篇』の菅田将暉と『沈黙 -サイレンス-』でハリウッドデビューした小松菜奈、そして『余命1ヶ月の花嫁』の榮倉奈々、2021年公開予定の『シン・ウルトラマン』の斎藤工、『ザ・ファブル』の山本美月、倍賞美津子、成田凌、二階堂ふみ、高杉真宙ら実力派が集結。監督は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64-ロクヨン-』の瀬々敬久、脚本は『永遠の0』『空飛ぶタイヤ』の林民夫、音楽は椎名林檎や平井堅など人気アーティストたちとのタッグで知られる、音楽プロデューサーでベーシストの亀田誠治が手がける。13歳の時に北海道で出会った高橋漣と園田葵は恋をするも、葵の家庭の事情で離ればなれに。8年後に東京で再会するが……。楽曲「糸」の“めぐり逢い”をテーマに、平成元年生まれの2人が令和を迎えるまで、18年のドラマを描く恋愛ストーリーである。

菅田将暉,ほか

平成元年に生まれた高橋漣と園田葵は北海道で育ち、13歳の時に出会って初めての恋をする。しかしある日、葵が突然姿を消してしまう。転居先をつきとめた漣は、葵が養父から虐待されていると知り、駆け落ちを決行。しかし警察にすぐ保護された2人は引き離され、葵は母親に連れられて北海道から遠い地に転居する。それから8年後。地元・美瑛のチーズ工房で働いていた漣は、中学時代の親友の結婚式に出席するために訪れた東京で、葵と再会。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵は、それぞれに別の人生を歩み始めていた。そして10年後、平成最後の2019年に……。

中島みゆきが知人の結婚を祝って作り、1998年に35作目のシングルとしてリリースした名曲「糸」に着想を得て生まれたストーリー。これまでに「糸」はドラマや数々のCMに起用され、森山直太朗、JUJU、福山雅治をはじめ120組以上ものアーティストがカバー。なかでも2004年にMr.Childrenの桜井和寿が率いるbankbandがカバーしたバージョンは特に名演奏として有名だ。中島みゆきは「糸」が大勢のアーティストにカバーされてきたことや、今回の映画化について、このようにコメントを寄せている。「『糸』は、とても素朴な曲ですから、いろいろな方々に歌っていただく度に、さまざまな色があらわれて、いつも驚かされています。この度は映像の世界に用いていただくこととなり、ありがとうございます。また新たな“糸”に出会えるのを、楽しみにしています」

斎藤工,小松菜奈

北海道の上富良野で生まれ育った高橋漣役は、菅田将暉が一途で実直な青年として。北海道の美瑛町で育った園田葵役は小松菜奈が、逆境に負けずに自身の人生を切り拓いていく女性として。漣が働くチーズ工房の先輩である桐野香役は榮倉奈々が、葵と恋愛関係になるファンドマネージャーの水島大介役は斎藤工が、葵の同僚で親友の高木玲子役は山本美月が、子どもに食事を無償で提供する「子ども食堂」の女主人・村田節子役は倍賞美津子が、漣の幼馴染で親友の竹原直樹役は成田凌が、直樹の二番目の妻・山田利子役は二階堂ふみが、葵と玲子と一緒にシンガポールで事業を始める冴島亮太役は高杉真宙が、葵と漣の幼馴染で直樹の最初の妻・後藤弓役は馬場ふみかが、漣が働くチーズ工房の工房長でチーズ作りの師匠である富田幸太郎役は松重豊が、香の父・桐野昭三役は永島敏行が、香の母・春子役は田中美佐子が、葵の伯父・矢野清役は竹原ピストルが、葵の母・園田真由美役は山口紗弥加が、水島の秘書・佐々木役はGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太が、それぞれに演じている。

劇中では北海道、東京、沖縄、シンガポールが舞台となり、各都市にて撮影。メインとなる撮影地は中島みゆきの故郷である北海道で、美瑛の丘、函館空港、函館の入舟漁港、北海道中川郡幕別町に実在するチーズ工房などが登場。東京ではライトアップした東京タワーが夜景に映える芝公園、沖縄では今帰仁の村民の浜、備瀬の並木通り、本部町備瀬の民宿、シンガポールではシャングリ・ラ ホテル シンガポールや現地の日本食屋などで撮影された。
 本作は、『黄泉がえり』『余命1ヶ月の花嫁』などを手がけた平野隆プロデューサーの原案・企画によって2015年からスタート。度々タッグを組んでいる脚本家・林民夫と内容について話し合い、平成の約30年間を舞台にしたラブストーリーに決定。市井の人々を描くフィクションとして、この時代に多くつけられた名前、人気のあった職業を設定、リーマンショックや東日本大震災といった実際の出来事の影響とともに人間模様を描いている。平野プロデューサーは楽曲「糸」にもとづく、この映画のテーマについて語る。「この映画では登場人物たちの出会いや別れと同時に、喜びと悲しみが交錯します。ひとつひとつの糸は切れることもありますが、また何かでつながっていくこともある。それが人生だと思うんです。最後に何かにつながり、それを人は仕合わせと呼ぶ。そこに到達するために、日々を一生懸命生きる人たちの物語を作りたかった」

小松菜奈,山本美月,高杉真宙

楽曲「糸」にある、めぐり逢いや結びつきの不思議さ、しなやかなつながりのこと。平成を経て令和という新しい時代を迎え、これからへの希望を込めたかのような本作。劇中では中島みゆきが1994年にリリースした楽曲「ファイト!」を歌うシーンが2回(榮倉奈々と成田凌がそれぞれ歌う)、登場するのも印象的だ。
 現在は世界的に非常に大変な状況にあり、医療現場や大勢の人たちを支援する施設のスタッフ、さまざまな現場で状況に対応しているすべての方々へ、本当に感謝の念に堪えない。市井の私たちとしては、とにかくみんなで気を付けて丁寧に過ごしている今。映画に関しては、数々の海外作品の公開が延期に、一部の映画館は週末に自主的に休館した。ここでは引き続き注目作品をご紹介していくなか、新作情報は状況が落ち着いてから先の楽しみとして、また過去作品を自宅でDVDや配信などで観る際に以前の記事をみるなど、日々のなかで役立ててもらえたら幸いだ。
 さてこの映画に関しては、『ディストラクション・ベイビーズ』『溺れるナイフ』に続き、今回で3度目の共演となる菅田将暉と小松菜奈の実生活でのロマンスというフレッシュなうわさも。映画の宣伝時期にあまりにもタイムリーなのはともかく、とてもお似合いのほほえましい2人で、個人的にとても素敵だなと。最後に、撮影前にこの映画製作への思いを込めた主演2人のコメントをご紹介する。
 菅田「時に険しく、時に愉快な人間の性を、原曲へのリスペクトを忘れずに、仕合わせを掴み取る気持ちで挑んでいきたいなと思います。初めましての瀬々監督と、何度も共に闘ってきた小松菜奈というカップリングも純粋に楽しみです。どうか、良いめぐり逢わせでありますように」
 小松「菅田さんとは何回か共演させていただき、過酷な撮影も一緒に乗り越えて来ました。そんな同志のような2人だからこそ紡ぎだせる空気感を大事に、一意奮闘しながら、丁寧に描いていきたいと思います。今回の作品で私たちが、どんな糸で、どんな布を織りなすことができるのか、とても楽しみです」

作品データ

糸
公開 2020年8月21日(金)よりロードショー
制作年/制作国 2020年 日本
上映時間 2:10
配給 東宝
Inspired by 中島みゆき「糸」
原案・企画プロデュース 平野 隆
脚本 林民夫
監督 瀬々敬久
音楽 亀田誠治
出演 菅田将暉
小松菜奈
山本美月
高杉真宙
馬場ふみか
倍賞美津子
永島敏行
竹原ピストル
二階堂ふみ
松重 豊
田中美佐子
山口紗弥加
成田 凌
斎藤
榮倉奈々
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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