ウォンカとチョコレート工場のはじまり

ティモシー・シャラメ主演でウォンカの若き日を描く
“夢見ることからすべては始まる”という母の言葉を胸に
最高のチョコを求める人すべてに届けるべく奮闘する

  • 2023/12/8
  • イベント
  • シネマ
ウォンカとチョコレート工場のはじまり© 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

『チャーリーとチョコレート工場』の工場長ウィリー・ウォンカの若き日を描くオリジナル・ストーリーが完成。出演は、『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ、『ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラント、『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス、『女王陛下のお気に入り』のオスカー俳優オリビア・コールマン、『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソンほか。監督・脚本は『パディントン』のポール・キング、プロデューサーは『ハリー・ポッター』シリーズ(2001〜2011)のデイビッド・ヘイマンが手がける。幼い頃からいつか母と一緒に美味しいチョコレートの店をつくろうと夢見ていたウォンカは、一流のチョコ職人が集まる町へと向かうが……。地方から大きな夢とわずかな資金、ほぼ身ひとつでやってきた純真な青年が、町で悪い輩に騙されたり歪んだ権力に圧倒されたりしながらも、出会った人たちと力を合わせ、自身の才能と度量で夢に向かって邁進していく姿をファンタジックに描く。かのチョコレート工場長となる前のウォンカ青年の奮闘を映し、夢をもち目標に向かう人たちすべての人たちを応援するかのような、カラフルでハートウォーミングなドラマである。

幼い頃から、いつか母と一緒に美味しいチョコレートの店をつくろうと夢見ていたウィリー・ウォンカは、夢を叶えるため、一流のチョコレート職人が集まるチョコレートの町へとやってきた。ウォンカがつくる、一口食べると幸せな気分になり、宙に舞ったり、風船みたいに膨らんだり、誰も味わったこともない“魔法のチョコレート”はまたたく間に住民たちの間で評判に。しかし彼の才能を妬んだ“チョコレート組合3人組”に目をつけられ、妨害されてしまう。さらに、宿屋のがめつい女将に騙されたウォンカは多額の借金を負い、ある因縁で彼を付け狙うオレンジ色の小さな紳士ウンパルンパも現れ……。

ティモシー・シャラメ,ヒュー・グラント

1964年に発表されたロアルド・ダールの児童書『チョコレート工場の秘密』をもとに、『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカの若き日を描くオリジナルのストーリー。劇中には、ウォンカがつくる空飛ぶチョコレートや恋を応援するチョコレート、チョコの川にチョコの噴水、さらに人も乗れる綿菓子の雲や虹のキャンディなど、かわいらしいお菓子がたくさん登場。またウォンカが大切に持ち歩いている独自のチョコをつくり出すトランクタイプの製造機や、大量の洗濯をこなす“ワッシャ・ワッシャ自動洗濯機”といった発明品や、ウンパルンパの持ち物である空飛ぶ羽や移動式ミニバーなどのユニークなアイテムも楽しい。プロデューサーのアレクサンドラ・ダビーシャーは2023年11月20日に行われた来日イベント“マジカル・チョコレート・ナイト”にて、この作品への思い入れとストーリーに込められたメッセージについて熱く語った。「素晴らしいマジックにあふれている作品です!チョコレートもたくさん登場し、ダンスも歌もあります。ものすごく大きなスペクタクルがあり、劇場で楽しむべき映画で色んなディテールと喜びに溢れる作品です。作り手の私たちが楽しんで作ったのと同じくらい観て楽しんでいただければと思います。映画を作るまで非常に長い道のりでした。素晴らしい演技やメッセージが詰まっており、感情も動かされます。“諦めないでほしい”、“ポジティブでいよう”、“お互いに親切でいよう”というメッセージを日本の皆様にもお届けします!」

ティモシー・シャラメ,ほか

一流のチョコレートをつくる才能をもつ若きチョコ職人ウィリー・ウォンカ役はティモシー・シャラメが、夢と希望にあふれる純真な青年として。ティモシーは美声で歌いふわりと舞うようなダンスを披露したことについて、とてもたくさんのトレーニングを受けたとコメント。そしてウォンカを演じることについて、映画の公式HPより2023年11月17日付のNEWSの特別映像にて、「ウィリー・ウォンカは誰もが知っている物語の登場人物。最初から夢みたいなプロジェクトだった」と嬉しそうに話し、このように続けた。「ウォンカを演じることができて、この物語の一部になれて、本当に光栄だよ。この映画は本当に喜びがあふれている。世の中に光を照らしてくれるような作品なんだ。夢見ることを応援してくれるし、僕にとってはそれが力をくれる」
 キング監督はティモシーの出演について、この特別映像でこのように語った。「ティモシーは素晴らしい役者だよ。まだ若く、純粋で希望に満ちあふれているウォンカを魅力的に表現している。この映画を作るうえで本当のパートナーのようだった。撮影したものを一緒に見て、どうやったら上手くいくか会話を重ねた。ティモシーは、どんな要望にも細かく応えてくれた」
 ウォンカの相棒となる孤独な少女ヌードル役はケイラ・レーンが、チョコが好きすぎて悪事に手を染める警察署長役はキーガン=マイケル・キーが、ウォンカを妨害するチョコレート組合3人組のボス、スラグワース役はパターソン・ジョセフが、組合のひとりプロドノーズ役はマット・ルーカスが、組合のひとりフィックルグルーバー役はマシュー・ベイントンが、ウォンカの愛情深い母親役はサリー・ホーキンスが、チョコレート中毒の神父役はローワン・アトキンソンが、宿屋のがめつい女将ミセス・スクラビット役はオリヴィア・コールマンが、宿屋に客を呼び込む男ブリーチャー役はトム・デイビスが、ウォンカと同じく騙されて宿屋で借金を負わされた4人、パイパー役はナターシャ・ロスウェルが、ロッティー役はラキー・タクラーが、アバカス役はジム・カーターが、ラリー役はリッチ・フルチャーが、それぞれに演じている。個人的には、オレンジ色の小さな紳士ウンパルンパを演じたヒュー・グラントのハマりぶりがツボだ。きどった紳士然とした大げさな仕草や話し方、ユーモラスな動きや残念なエピソードなど少々の情けなさがあるあたりも、とってもいい塩梅となっている。日本語吹き替え版ではウンパルンパの声を松平健が担当するのも、とてもよくマッチしそうだ。
 そして日本語の吹替版は、セリフに加えて全13曲の歌も日本語で吹き替えがなされている“完全吹替版”。声の出演は、アメリカ本社のボイステストにより吹替キャストに決定した、Da-iCEのヴォーカルの花村想太(ウォンカ)、BiSHのヴォーカルだったセントチヒロ・チッチ(ヌードル)、ミュージカル俳優の岸祐二(スラグワース)をはじめ、ミュージシャンや俳優、芸人や声優など充実のメンバーが参加している。
 主題歌の「ピュア・イマジネーション」は、1971年にジーン・ワイルダー主演で実写映画化された『夢のチョコレート工場』の劇中で、ウォンカが子どもたちにチョコレート工場を紹介する場面で歌った曲。今回の映画では、“世界一のチョコレート店を作る”という夢に向かっていくウォンカの心情とリンクして、「夢見ることからすべては始まる」「夢は素敵な魔法」という歌詞が今回の映画のメッセージにつながっている。

原作者のロアルド・ダールは1916年、イギリスのサウス・ウェールズ出身。パブリック・スクール卒業後、シェル石油会社の東アフリカ支社に勤務。第二次世界大戦中に戦闘機パイロットとして従軍。その後、重傷を負った戦中の経験をもとにした小説で作家デビューした人物だ。1964年に『チョコレート工場の秘密』を、1972年に同シリーズの『ガラスのエレベーター宇宙にとびだす』を発表。『チョコレート工場の秘密』は1971年に最初にメル・スチュアート監督、ジーン・ワイルダー主演により『夢のチョコレート工場』として映画化されカルト的な人気となり、2005年にはティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演により『チャーリーとチョコレート工場』として映画化され大ヒットしたのは周知の通りだ。今回のプロモーションで公式に初来日したティモシーは、ジョニー主演による2005年の映画を子どもの頃に観たことについて、前述の“マジカル・チョコレート・ナイト”でこのように語った。「僕が多分10歳くらいだった頃、ジョニー・デップが演じた『チャーリーとチョコレート工場』を観て、すごく感動したんです。(その頃の自分に)今、あのウィリー・ウォンカを演じて、東京にいると言ったら絶対に嘘だと思うと思います。皆さんも夢を追いかけてください」

ケイラ・レーン,ティモシー・シャラメ

これまでの映画のリメイクではなく、原作の小説をもとに映画化した『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。今回のウォンカにキッチュでシニカルな毒の部分は一切なく、とても一途な好青年であり、毒気はチョコレート組合3人組や宿屋の女将と引き込み男が引き受け、全編にパステルカラーのファンタジーを増し増しにした内容となっている。バートン監督&ジョニーの世界観とは当然ながら異なっているので、それを期待するとすこし違和感がある向きもあるかもしれないものの、かの有名なウィリー・ウォンカがまだ何者でもなく、一流のチョコ職人を目指して町へやってきた純朴な青年時代の物語として、さまざまな困難にくじけずに出会った人々と力を合わせて夢の実現と事業の成功を目指すという内容は、年齢・性別・国籍を問わずに幅広い層が安心・安全に楽しめる内容ともいえるだろう。
 ティモシーは“マジカル・チョコレート・ナイト”で観客に向けて、「私たちも一生懸命作った作品です。とても楽しい映画なのでチョコレートを楽しむ気分で楽しんでほしいです」とメッセージを伝え、映画の公式HPより2023年12月1日付のNEWSのインタビュー映像にて本作への思いをこのように語った。「これはとても楽しみに満ちた作品だと思う。これは、光を求めてやまない世界に、まさにその光をもたらす作品。夢を見ることを応援してくれる。夢見る人々に、いつまでも夢を見ていてもいいんだと勇気づけてくれる。自分自身であること、自分のままであることを恥じることなく自分自身に宣言することを応援してくれる。光と愛についての物語なんだ」
 そしてポール監督は観客へのメッセージを“マジカル・チョコレート・ナイト”にてこのように語った。「すべての方に観てもらいたい作品を作りました。私の5歳の娘も105歳の方も楽しんでいただきたいです。夢をかなえることだけでなく、本作を通じて世界を変えたい、共にいろんなことを分かち合いたいと思っています。家族や傍にいらっしゃる方と映画館で楽しんでいただきたいです」

作品データ

公開 2023年12月8日より全国ロードショー
制作年/制作国 2023年 アメリカ
上映時間 1:56
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 Wonka
監督・脚本 ポール・キング
原案 ロアルド・ダール
出演 ティモシー・シャラメ
ヒュー・グラント
オリビア・コールマン
サリー・ホーキンス
ローワン・アトキンソン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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