デューン 砂の惑星PART2

D・ヴィルヌーヴ監督による名作SFの映画化第2弾
一家全滅の陰謀を生き延びた貴族の青年は復讐を誓う
戦争と冒険と恋愛を劇的に描く壮大なSFアクション

  • 2024/03/13
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デューン 砂の惑星PART2© 2024 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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たくさんの人々や作品が多大な影響を受けてきた、アメリカの作家フランク・ハーバートによる1965年の小説『デューン 砂の惑星』の映画化第2弾が完成。出演は前作から引き続き、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のティモシー・シャラメ、『グレイテスト・ショーマン』のゼンデイヤ、『ミッション:インポッシブル』シリーズのレベッカ・ファーガソン、『アベンジャーズ』シリーズのジョシュ・ブローリン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのデイブ・バウティスタ、実写版『リトル・マーメイド』のハビエル・バルデム、そして今回から新たに出演する、『エルヴィス』のオースティン・バトラー、『ディア・ハンター』のクリストファー・ウォーケン、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のフローレンス・ピュー、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥほか豪華なキャストが顔を揃える。監督・脚本・製作は前作と同じく『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ手がける。砂の惑星デューンで100年続く、アトレイデス家とハルコンネン家の壮絶な戦い。ハルコンネン家の策略により一族全員を殺され、唯一生き残ったアトレイデス家の後継者ポールの復讐が始まる。権力の対立、惑星の資産をめぐる争い、宗教と信仰、青年と砂漠の民との恋。ひとりの貴族階級の青年が復讐を誓い、人々を率いて成長してゆくさまを圧巻の映像で描く。権力闘争と戦争、冒険とラブストーリーが展開する、ドラマティックなSFアクション大作である。

砂の惑星デューンではアトレイデス家とハルコンネン家の戦いが100年続くなか、ハルコンネン家の陰謀によりアトレイデス家はほぼ全滅。しかし唯一生き残ったアトレイデス家の後継者ポールは復讐を誓う。そしてデューンの先住民族である砂漠の民フレメンの戦士チャニと心を通わせ、ポールは砂漠で生きる精神と術(すべ)を学び、人々を率いていく。一方でハルコンネン家は宇宙を統べる皇帝と連携し力を増してゆき、デューンに新たな支配者としてハルコンネン男爵の甥である残忍なフェイド=ラウサを送り込む。

ティモシー・シャラメ

スタッフの原作への敬意と愛、キャストたちの献身をもって映像や物語、美術や音楽などが練り上げられたSF大作。第2作である今回は、ポールが砂漠の民に認められるべく、そこで生き抜くために心身を鍛え、必要な技や知恵を身につけてゆく“修行編”であり、ポールとチャニの恋も描かれ、そうしたすべてのことにより一人前の戦士として成長してゆく姿が頼もしい。映画を観ると誰もが思い浮かぶのは、『2001年宇宙の旅』『スター・ウォーズ』『ナウシカ』などのSF作品だろう。なぜならこの映画の原作である作家フランク・ハーバートの小説『砂の惑星』から、さまざまな作品が着想を得ているからだ。公式HPのNEWの2024年3月11日付の記事ではヴィルヌーヴ監督と、2024年の第96回アカデミー賞にて映画『オッペンハイマー』が作品賞をはじめ7部門を受賞したことも話題のクリストファー・ノーラン監督の対談映像が紹介され、ノーランは『デューン 砂の惑星PART2』についてこのように例を挙げて賞賛している。「もし(前作)『DUNE/デューン 砂の惑星』が『スター・ウォーズ』だとしたら、このPART2は“帝国の逆襲”だと思う。『スター・ウォーズ』シリーズのなかで一番好きな作品だ。それにPART1で描かれたすべてが信じられないほどエキサイティングに展開していると思った」
 原作の小説を愛するヴィルヌーヴ監督は約40年前に読んだ時から、キャラクターやクリーチャーや風景などのイメージをあたためてきたとのこと。製作総指揮も担う脚本家のジョン・スペイツは、監督と原作者の意図を活かすこともよく話し合ったと語る。「フランク・ハーバートは『デューン 砂の惑星』を帝国主義と“救世主たち”の魅惑に警鐘を鳴らす物語にしたかったんだ。ドゥニと私はこのメッセージが映画でも明確に響くようにしたかった」

アトレイデス家の後継者で唯一の生存者ポール役はティモシーが、母に王となり救世主となるよう強く後押しされながらも、自身は救世主として扱われたいわけではないと考えながらもリーダーとして目覚めていく、その葛藤や成長を表現。砂漠の民フレメンの戦士チャニ役は、“救世主”を拒否しながらもポールと惹かれ合い、彼に砂漠でフレメンと共に生きる術を伝えて導くさまを凛々しく。超能力をもつポールの母レディ・ジェシカ役はレベッカ・ファーガソンが、息子が生き抜くために救世主となり王となるよう力を注ぎ、自身も身ごもっている娘を守り生き抜くためにフレメンの“教母”という役割を引き受ける意志の強い女性として。アトレイデス家の戦闘隊長だったガーニイ・ハレック役はジョシュ・ブローリンが、不気味な殺気を放つ残忍なハルコンネン男爵の甥フェイド=ラウサ・ハルコンネン役はオースティン・バトラーが、パーディシャー皇帝シャッダム四世の娘であり、教母モヒアムの庇護を受け冷静で戦略的な思考をもつ皇女イルーラン役はフローレンス・ピューが、ハルコンネン男爵のもうひとりの甥“ビースト”・ラッバーン役はデイブ・バウティスタが、宇宙を統べるパーディシャー皇帝シャッダム四世役はクリストファー・ウォーケンが、超能力と預言と迷信を用いる女性のみの秘密結社ベネ・ゲセリットの一員であるレディ・マーゴット・フェンリング役はレア・セドゥが、フレメンの戦士シシャクリ役はスエイラ・ヤクーブが、権謀術数をめぐらすハルコンネン男爵役はステラン・スカルスガルドが、ベネ・ゲセリットの教母であり皇帝付きの読真師でもあるガイウス・ヘレネ・モヒアム役はシャーロット・ランプリングが、ポールを“救世主”と信じるフレメンのリーダー、スティルガー役はハビエル・バルデムが、それぞれに演じている。

砂虫(サンドワーム)

劇中では激しい戦闘におけるバトルや、羽ばたき機(オーニソプター)といった戦闘機などのアクションが展開(この羽ばたき機は『ナウシカ』『天空の城ラピュタ』をとても思い出す)。監督は戦闘コーディネーターのロジャー・ユアンとスタントコーディネーターのリー・モリソンと共に、戦闘シーンやスタントをつくり上げたとのこと。なかでも架空のクリーチャーである砂虫(サンドワーム)を乗りこなすシーンの迫力は注目だ。製作のタニヤ・ラポワンテは監督が原作のサンドワームをいかに正確にとらえ、映画で具現化できたのかについて製作で第2班監督も務めるタニヤ・ラポワンテは語る。「この映画で砂虫に乗る俳優は全員、“ドゥニ・ヴィルヌーヴのサンドワーム乗り教室”で指導を受けた。ドゥニの教え方がいちばん上手だったからなの。彼は子どものころから原作を読んでいるから、乗っている姿がどんなふうに見えるべきか、はっきり分かっていた。だから、砂虫の乗り方を実演できたの」
 そして監督は砂虫の撮影について、「大きな忍耐力が必要だったし、非常に実験的な要素が多く、今まで手がけたなかでも最も複雑なシーンだったよ」と話し、このように熱く語る。「サンドワーム乗りは、原作小説でも壮大に描かれているよ! フレメンたちが砂虫を乗りこなし、移動手段として使う技術をもっていることは、この小説の最もかっこいい点のひとつだ。しかし読むことと観ることはまったく別物だ。どうすれば砂虫に乗ることができるのか、自ら論理を定義し、技術をつくり出さなければならなかった。私はその方法を文字や絵で表現した。できるだけリアルに見せたかったので、フレメンがどのように砂虫に乗るか、グラフィックを使ってスタッフに説明した。実際の太陽光の下で、砂虫のような建造物に乗ってもらって撮影しようと試みた。かなり特殊なその撮影が実現するまでには、制作チームでも数か月の作業と多くの試行錯誤が必要だったよ」
 また3か月以上かけて撮影された砂虫のシーンについて、ティモシーは語る。「砂虫に乗るシーンは、ポールがチャニとスティルガー以外のフレメンの人々に受け入れてもらうきっかけとなる、とても重要な瞬間だ。そのため、完璧なシーンに仕上げなければならなかったが、非常に複雑で困難を極めた。ポールが砂虫を乗りこなすということは、成人として認められることを意味していた。それは通過儀礼であり、ポールがフレメンに受け入れられる大きな理由となる。フレメンの言葉で砂虫を意味する“シャイー=フルード”とともに生きることのできない者は、この過酷な環境のなかで生きていけない。しかしポールは違った。彼は砂虫を乗りこなしてみせたんだ」

この映画はすべてIMAXで撮影され、ラージフォーマットにより高解像度映像による最大の没入感を得ることができるのが特徴。なるべくCGよりも実際に撮影することを優先し、イタリアやアラブ首長国連邦などで撮影された映像も美しい。教母モヒアムとイルーランが庭園を歩くシーンは、建築家カルロ・スカルパによるブリオン家の墓地にて撮影。前作のアトレイデス家の惑星カラダンの建造物のほとんどがここから着想を得てつくられ、今回は現地での撮影が実現した。
 美術のパトリス・ヴァーメットは、ブリオン家の墓地で撮影できたことの喜びと感謝を熱く語る。「カルロ・スカルパは私にとって神のような存在だ。1作目の美術デザインのときも彼から大きな影響を受けた。本作では“皇帝の庭園”の舞台となる場所を探していた。そこで私がつくった美術の参考資料をドゥニに見せたところ、ブリオン家の墓地に目を留めて『この世のものとは思えない、特別な場所だ。ここで撮影したい』と言った。ブリオン家の墓地は今まで映画のセットとして使われたことはなかった。ブリオン家は『スター・ウォーズ』作品ですら断っていたんだ。しかし、ブリオン氏のご子息は、『デューン 砂の惑星PART2』の撮影と知ると、私たちと面会のうえ、撮影許可を下ろしてくれた。それはとても特別なことで、ロケ地に足を踏み入れて涙がこぼれてきたのは初めての経験だった。カルロ・スカルパの息子であるトビアにも会ったけれど、ご家族はみんな、1作目の『DUNE/デューン 砂の惑星』がスカルパの影響を受けていると気づいていた。だから納得してくれたんだ」

ハビエル・バルデム,ほか

熱心な原作の小説のファンである作曲家のハンス・ジマーは、「このような経験は初めてだった。あれほど作曲したいと思った小説はなかったよ」と語り、1作目の直後からすでに続編用の音楽を作り始めていたとのこと。彼は前作を観た時に、「エンドクレジットが流れた時に、原作本をチェックして『ああ、まだ156ページじゃないか! 本格的に始まってもいない』と思ったよ」とも。物語は2作目にしてまだ序盤であり、この映画のシリーズはこれから長く続きそうだ。ティモシーは2024年2月16日(日本時間)にロンドンで行われたワールドプレミアにて、「またここに戻って来ることができて嬉しいです。夢が叶いました」と話し、観客へのメッセージをこのように伝えた。「ドゥニ監督との仕事が大好き。それに尊敬する俳優たちと共演できて本当に光栄です。この映画は映画館の大スクリーンで見るために作られたので、ぜひ劇場で観てほしいです」
 またゼンデイヤはこの映画の魅力についてこのように語っている。「人には別世界への逃避願望がある。本作の舞台は、数千年後の未来の見知らぬ惑星であるにもかかわらず、物語には非常に人間らしい要素があり、それがドゥニ・ヴィルヌーヴによって見事に表現されている。だからこそ、自分とかけ離れた世界だとは感じず、どこか共感できる部分がある。本作で描かれる恋愛、母子の関係、役割を担うプレッシャー、自分では成し遂げられないと感じる使命を受け継ぐこと、そういった状況すべてにおいて、共感が生まれるのよ」
 最後に、ヴィルヌーヴ監督から映画ファンへの情熱的なメッセージをご紹介する。「ポールとチャニの関係に心を動かされてほしい。本作の中心にあるのはふたりのラブストーリーだ。また、爽快だけれど危険な移動手段である砂虫(サンドワーム)に乗る感覚も体験してほしい! さらに、ポール、フレメン、ハルコンネン家、帝国の間で繰り広げられる、壮大な戦闘や繊細な心理戦もある。戦闘シーンは本当にすごいよ! すべてにおいて『デューン 砂の惑星PART2』は、映画館の大スクリーンで良い音響とともに楽しんでもらうようにつくられている。映画を最もパワフルに楽しめる方法で体験してほしい!」

作品データ

公開 2024年3月15日全国公開(3月8日、9日、10日、3日間限定先行上映決定)
制作年/制作国 2024年 アメリカ
上映時間 2:46
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 DUNE: PART TWO
監督・脚本・製作 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本 ジョン・スペイツ
クレイグ・メイジン
出演 ティモシー・シャラメ
ゼンデイヤ
レベッカ・ファーガソン
ジョシュ・ブローリン
オースティン・バトラー
フローレンス・ピュー
デイヴ・バウティスタ
クリストファー・ウォーケン
スティーブン・ヘンダーソン
レア・セドゥ
ステラン・スカルスガルド
シャーロット・ランプリング
ハビエル・バルデム
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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