日本初!フランスの城の食堂を飾った装飾画16点が一堂に
画壇に大きな変革をもたらした印象派の画家たちと同世代ながら、内面世界に目を向けて幻想的な作品を描き続けたオディロン・ルドン(1840〜1916)。木炭画、版画、パステル画、油彩画など、多彩な作品を手掛けた中から、花や植物をテーマにした作品に焦点を当てて掘り下げる企画展です。
1840年、フランス南西部のボルドーで生まれ、郊外のブドウ園の屋敷を管理していた親戚の老人に11歳になるまで育てられました。ボルドーに戻った後は、地元の風景画家スタニスラス・ゴランのもとに通います。パリの国立美術学校を目指したものの不合格。師事していた歴史画家ジェロームとも折り合いがつかず、ボルドーに帰郷。版画家ロドルフ・ブレスダンから銅版画の技法を学びました。1867年に版画、1868年には油彩画でサロン(官展)に入選しています。モノクロームの版画を多く発表し、世間から「黒」の画家と認知されていましたが、1894年、最初の個展を開催してパステル画や油絵を出品して以降、徐々に入れ替わり、晩年は黒い作品は姿を消し、柔らかな色彩の作品を多く描きました。
本展では、オルセー美術館、ニューヨーク近代美術館MoMAなど、世界各地の美術館から花や植物をテーマにした約90点の作品が一堂に集います。スペイン旅行の際に描いたスケッチから制作を試みた版画《スペインにて》などの「黒」の画家時代、油絵で小型の風景画を描いた《メドックの秋》、晩年に形態の類似性を意識的に探究して描いた《蝶と花》など、多様な作風を展観できます。
特に、ベール・ド・ドムシー男爵が注文した城館の大食堂を飾る16点の装飾画は、1年以上の制作期間を経て制作された大作で、その中の中心的存在である《グラン・ブーケ》は、際立った壮麗さで群を抜く重要な作品です。16点がそろって日本で展示されるのは初となります。
そのほか、行政からの注文を受けて制作した下絵をもとに作られたロラン・ルスタン(ルドンの下絵に基づく)《衝立》、ルドンの妻が異母姉から相続したヴィラの庭の花を描いた《野の花のいけられた花瓶》なども紹介されます。
展覧会名 | 「ルドン― 秘密の花園」展 |
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会期 | 2018年2月8日(木) 〜 5月20日(日) |
休館日 | 月曜日 ※ただし祝日の場合と、トークフリーデー(2月26日・3月26日)、5月14日は開館 |
時間 | 10:00〜18:00 ※祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 三菱一号館美術館 千代田区丸の内2-6-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
入場料 | 一般 1,700円、高大生 1,000円、小中学生 500円 |
公式サイト | https://mimt.jp |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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