ジョルジュ・ブラック展絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス

モチーフを立体作品へと変容! 晩年に到達した装飾芸術に迫る

  • 2018/05/07
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20世紀初頭、ピカソと共にキュビスムの芸術運動を創始したジョルジュ・ブラック。50年以上にわたる画業の中でも晩年に取り組んだ、絵画から立体へ変容させる“メタモルフォーシス”シリーズに注目し、作品を展観しながらその特徴に迫る企画展です。

1882年、フランスのアルジャントゥイユに生まれたブラックは、1900年にパリに移り、夜間講座で油彩画とデッサンを学びます。1908年、セザンヌの影響を受け、キュビスム絵画を初制作。翌年には、ピカソと親交を深め、キュビスム作品に取り組みました。立体であるモチーフの全容を絵画という平面で表現するために、分割し再構成するキュビスムの手法は、絵画に革新をもたらします。しかし、全ての造形物の美化を目指して、1920年に初の挿絵と彫刻を制作し、1923年には舞台美術デザインの契約を結ぶなど、装飾芸術にも活動を広げていきました。1948年、油彩《ビリヤード》でヴェネツィア・ビエンナーレ大賞を受賞。1961年、ジュエリー制作を始め、1963年にはパリ装飾美術館で「ブラック・ジュエリー」展を開催するも、同年8月に亡くなります。

本展では、代表的な作品で画業の変遷を辿る“序章”と、種類ごとにまとめた“メタモルフォーシス”シリーズを5章にわたって展開。18歳頃に描かれた《モンソー公園》、キュビスム絵画《静物》など、絵画の変遷を辿れるほか、「1章 平面」では、立体作品の下絵となったグワッシュ画や版画、絶筆とされる《青い鳥、ピカソへのオマージュ》も展示されます。「2章 陶磁器」では、主要なモチーフが皿やピッチャーとして登場。金を効果的に使って装飾した塑像《ペルセポネ》も紹介されます。「3章 ジュエリー」では、貴石や貴金属に魅了され、ジュエリークリエイターのエゲル・ド・ルレンフェルドと共同でつくりだした《へべ》や《三つの恩恵》などが展示。「4章 彫刻」では、平面で表現された形の繊細さはそのままに、輪郭や外観の力強さが加えられた《グラウコス》や《セファレ》などが並びます。「5章 室内装飾」では、ギリシャの神がモチーフの装飾パネル、モザイク、タピスリー、ステンド・グラスなどが展示されます。
 これまで日本でほとんど紹介されてこなかった晩年の取り組みと作品を一堂に展観できる内容です。

  1. ジョルジュ・ブラック ≪トリプトレモス≫ ブローチ(18金とルビー)
  2. ジョルジュ・ブラック ≪ヘベ≫ ブローチ(18金と緑エマイユと青エマイユ)
  3. ジョルジュ・ブラック ≪ペルセポネ≫ 陶器
  4. ジョルジュ・ブラック ≪青い鳥、ピカソへのオマージュ≫ 1963年 グワッシュ、紙
  5. ジョルジュ・ブラック ≪小さなビリヤード台≫ 1955-57年 ステンド・グラス
  1. ジョルジュ・ブラック ≪トリプトレモス≫ ブローチ(18金とルビー)
  2. ジョルジュ・ブラック ≪ヘベ≫ ブローチ(18金と緑エマイユと青エマイユ)
  3. ジョルジュ・ブラック ≪ペルセポネ≫ 陶器
  4. ジョルジュ・ブラック ≪青い鳥、ピカソへのオマージュ≫ 1963年 グワッシュ、紙
  5. ジョルジュ・ブラック ≪小さなビリヤード台≫ 1955-57年 ステンド・グラス
  6. 画像はすべて、
    サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵 Archives Armand Israël

開催概要

展覧会名 ジョルジュ・ブラック展
絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス
会期 2018年4月28日(土) 〜 6月24日(日)
休館日 水曜日(ただし5月2日は開館)
時間 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで
会場 パナソニック 汐留ミュージアム
港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F 
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中高生 500円
※5月18日(金)国際博物館の日はすべての方が入館無料
公式サイト https://panasonic.co.jp/ew/museum/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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