ビジュアルデザインの原点、「構成的ポスター」の歴史と魅力を紐解く
1910〜20年代のヨーロッパで生じ、芸術・デザインに革新をもたらした構成主義は、特にビジュアルデザインの領域において、図像と文字を幾何学的・抽象的な融和のもとに構成しようとする特徴的な表現様式をもたらした。エル・リシツキー、ヤン・チヒョルト、マックス・ビル、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンなど、数々のアーティストやデザイナーが時代を超えて共有したこの様式は、広くビジュアルデザインの可能性を拡張する試みとして発展を重ね、今日のビジュアルデザインの基盤を形成している。
本展では、この潮流のもとに世に送り出され、時代を彩った構成的ポスター群を、130点の竹尾ポスターコレクション(多摩美術大学寄託)で辿る。
展示は3章構成で展開。第1章では、戦後のビジュアルコミュニケーションのあり方を導く歴史的役割を果たしたスイス派、ウルム派に代表される構成的ポスター=インターナショナル・スタイルの継承と展開を辿る。
続いて第2章では、インターナショナル・スタイルのルーツともいうべき、第二次世界大戦以前に登場したロシア構成主義、バウハウス、ニュータイポグラフィを象徴するポスターを展示。
そして第3章では、1970年代以降、インターナショナル・スタイルを背景に登場したニュー・ウェイヴ、ポストモダンデザインと称される潮流を、10名のデザイナー、60点のポスターを通じて紹介する。
1920年代の勃興から90年代のコンピュータグラフィックスに至るまでの、図像と文字の風景の変遷と光芒を、さまざまな視点から物語を読むように楽しめるだろう。
構成的ポスターから、そもそもポスターとは何か、いま私たちはポスターをいかに見るべきかを読み取り、デジタル化がますます進む現代、そして未来におけるポスターの存在意義を考える機会となるだろう。
展覧会名 | 20世紀のポスター[図像と文字の風景] ──ビジュアルコミュニケーションは可能か? |
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会期 | 2021年1月30日(土)〜4月11日(日) |
休館日 | 毎月第2・第4水曜日、4月5日(月) |
時間 | 10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都庭園美術館(本館+新館) 港区白金台5-21-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,100円、大学生・専門学校生 880円、中高生・65歳以上 550円、小学生以下無料 |
公式サイト | https://www.teien-art-museum.ne.jp/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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