建築の今をたどる。特別表彰を受賞した日本館の展示
2016年5月28日から11月27日まで開催された、第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展における日本館の展示の再構成と、出展作家たちのビエンナーレ以降の取り組みを展観しながら、次代の建築と建築家が果たす役割について展望する企画展です。
イタリアのヴェネチアを舞台に隔年で開催されるヴェネチア・ビエンナーレは、世界中の建築家が参加する建築界のオリンピック。2016年は、チリの建築家アレハンドロ・アラヴェナが総合ディレクターに就任し、「REPORTING FROM THE FRONT」というテーマで、各国それぞれの社会状況や抱える課題に対する建築の在り方を問う展覧会となりました。
最高賞である金獅子賞は、スペイン館が受賞。長引く不況により建設途中でストップした建築群とそこに暮らす若者たちの写真を「UNFINISHED」というテーマで紹介。スペイン社会の現実を鮮やかに提示したことが評価されました。日本と同じ特別表彰を受賞したペルーは、「Our Amazon Frontline」のテーマのもと、アマゾン流域の小学校を再建可能にするモジュールキットを提案しました。
日本館は、常山未央/mnm、西田司+中川エリカ、成瀬・猪熊建築設計事務所、仲建築設計スタジオ、能作アーキテクツ、miCo.、中川純/レビ設計室、増田信吾+大坪克亘、青木弘司建築設計事務所、403architecture[dajiba]、BUS、ドットアーキテクツと、1975年以降に生まれた若手建築家12組が集結。日本の空き家問題や高齢化社会といった課題に対し、「人の縁」、「モノの縁」、「地域の縁」という3つのテーマで展示しました。人々や地域とのつながりを形にした建築は新たな価値を担い、独自の立ち位置を確立しようとする現代の建築家たちの姿勢も見えます。日常の課題に対して即物的に応えながら、それぞれのアイディアが光る建築群が紹介されました。
本展では、ヴェネチアでの展示を再現しつつ、映像や模型などを追加して全体を再構成。出展時の建築の紹介だけでなく、出展作家たちのその後の指針を掘り下げたり、取り組みを紹介したりしながら、日本の建築の今を展観します。
展覧会名 | en[縁]:アート・オブ・ネクサス ――第15 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展 |
---|---|
会期 | 2018年1月24日(水) 〜 3月18日(日) |
休館日 | 月曜 |
時間 | 11:00〜18:00 |
会場 | TOTOギャラリー・間 港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F |
入館料 | 無料 |
公式サイト | https://jp.toto.com/gallerma/ |
問合せ | 03-3402-1010 |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。