労働から解放され、自由を謳歌するバラ色の未来か?
テクノロジーに支配され、隷属する未来か?
最先端のテクノロジーにより大きく変化し得る私たちの近未来について、現代美術のみならず、都市論や建築、デザインやプロダクト・イノベーション、バイオアートから映画、漫画まで、幅広い展示構成で考察する展覧会。
近い将来、人間は多くの判断を AI(人工知能)に任せるようになり、AIが人類の知能を超え、社会や生活に急激な変化をもたらす「シンギュラリティ」が到来すると言われている。また、ブロックチェーン技術は、社会システムに新たな信用と価値を作り出し、多様なバイオ技術は、食や医学、そして環境に多大な影響を与えることになるだろう。私たち人間が身体機能を拡張させ、いま以上に長寿を享受する時代もそう遠くない話なのかもしれない。そうした急激な変化がもたらす未来は決して明るいものだけではないかもしれないが、少なくとも20〜30年後の未来のヴィジョンについて考えることが必要なのではないだろうか。それは同時に、豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何かという根源的な問いにもつながる。
本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成される。さまざまな領域にまたがる異色の展示物100点以上が提示される中、近未来の生活をイメージしたコーナーや、バイオ技術を用いたアーティストたちの実験室のようなアトリエなども登場。ゴッホが自分で切り落としたとされる左耳を現代のバイオ技術で再現した作品など、聞いただけで想像力を刺激される展示が目白押しだ。
また、世界各地の建築家、デザイナー、アーティスト、研究者が問いかける都市のありかた、環境問題、高齢化社会やさまざまな分野で進む自動化など、今日私たちが直面する事象や未来の課題を議論するプラットフォームの役割も果たす。
AIやロボット技術により、人間は労働から解放され、自由を謳歌するバラ色の未来を歩むのか?それとも、それらのテクノロジーに支配された、隷属する未来が待ち構えているのか?本展が提案するさまざまな未来像を通して、私たちがどのような未来を作るべきなのか考えたい。
展覧会名 | 未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか |
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会期 | 2019年11月19日(火) 〜 2020年3月29日(日) |
休館日 | 会期中無休 |
時間 | 10:00〜22:00(火曜日は17:00まで) ※ただし11月19日、12月31日、2月11日は22:00まで ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 森美術館 港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,800円、高大学生 1,200円、4歳〜中学生 600円、65歳以上 1,500円 |
公式サイト | http://www.mori.art.museum/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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