ゴッホ、ボナール、ドニらナビ派画家が見つめた、「子ども」の純粋な魂
2020年に開館10年目を迎える三菱一号館美術館。その記念展として、19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求した親密なテーマの中から「子ども」に焦点をあて、都市生活や近代芸術と「子ども」との関係を検証する展覧会が開催。フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館および三菱一号館美術館の所蔵品から、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派を中心とした油彩・版画・素描・挿絵本・写真等約100点が集う。
西洋美術の歴史において「子ども」は、宗教画にみられる幼子キリストや天使たち、ブリューゲルらのフランドル系の風俗画を除けば、その世界が絵画の中心的テーマになることはあまりなかった。それが、18世紀のロココ時代、19世紀のロマン主義時代を経て、ベラスケスやシャルダンのように、子どもたちの無垢な姿が画題として取り上げられるようになる。そこには、子どもが単に「小さな大人」ではなく、大人とは異なる純粋で崇高な存在として捉えられるようになる、「子ども観」の大きな変化があった。
こうした潮流の中で、ゴッホやゴーガンをはじめ、近代の画家たちが子どもに向ける眼差しもまた大きく変化する。とりわけ親密さや素朴さを追求したナビ派の画家たちにとって「子ども」は最も身近かつ深遠な芸術のインスピレーション源の一つとなったのだ。
街中にいる子どもや公園で遊ぶ子どもたちを中心に繰り広げられる光景を見逃さず、モティーフとして取り入れたピエール・ボナールやエドゥアール・ヴュイヤール、子ども服の流行にも敏感に反応したフェリックス・ヴァロットン、9人の子どもに恵まれ自分の子どもたちの肖像を理想化された家族の光景として描いたモーリス・ドニ――ナビ派の画家たちの生きとし生ける小さき者たちへのまなざしから、純粋な子どもたちの魂を感じ取れるはずだ。
展覧会名 | 開館10周年記念 画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン |
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会期 | 2020年2月15日(土) 〜 6月7日(日) 9月22日(火) ※6月9日(火)より再開、会期延長 |
休館日 | 6月15日(月) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 三菱一号館美術館 千代田区丸の内2-6-2 |
入場料 | 一般 1,700円、高大生 1,000円、小中生 無料 ※日時指定予約制 ※詳細は公式サイトをご確認ください |
公式サイト | https://mimt.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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