精密な描写と目を奪われる美しさが共存する、ボタニカルアートの世界へ
ユネスコ世界遺産に登録されている英国王立植物園「キューガーデン」は、広さ132ヘクタールにおよぶ園内に、3万種以上の植物および約1万4000本の樹木が植わる、世界最大級の植物園。元々は1759年にジョージ3世の母であるオーガスタ皇太子妃が造った小さな庭園だったが、ジョージ3世とシャーロット王妃の時代にその規模は飛躍的に広がり、当時ヨーロッパを席巻していた啓蒙思想などを背景に、研究機関としての整備も進んだ。22万点を超えるボタニカルアートを所蔵し、植物と菌類における科学的分野で世界をリードし続ける。
本展では、18〜19世紀に制作されたキューガーデン所蔵の貴重なボタニカルアートコレクション約100点のほか、シャーロット王妃が愛し、王室御用達となったウェッジウッド社のクイーンズウェアなどを展示。自然科学や植物画の発展をたどり、大きく変革していく時代の背景や歴史の一端を展観する。
元々は科学上の出版物である薬物誌や植物誌に付随するものとして発達した植物画。17〜18世紀には、フランス、イギリス、神聖ローマ帝国などの強大な権力を持つ君主により植物学を含む博物学が重視され、キュー王立植物園(キューガーデン)が誕生、以来英国王室と植物園は深い繋がりを持ち続けている。
その時代に多く生まれた優れたボタニカルアートをはじめ、18世紀後半〜19世紀にかけてイギリス東インド会社の繁栄と共に流行したエキゾチックな植物画、女性画家たちによる作品、2世紀以上に渡りキュー王立植物園が刊行を続ける学術誌『カーティス・ボタニカル・マガジン』の原画と手彩色銅版画など、多彩なボタニカルアートが登場する。
精密な描写による科学的視点と、目を奪われるような美しさが共存するボタニカルアート。世界中から集められた色とりどりの花々に囲まれるこの機会を堪能あれ。
展覧会名 | キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート |
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会期 | 2021年9月18日(土)〜11月28日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし9月20日は開館)、9月21日(火) |
時間 | 10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都庭園美術館(本館+新館) 港区白金台5-21-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,400円、大学生・専門学校生 1,120円、中高生・65歳以上 700円、小学生以下無料 ※事前予約推奨 ※詳細は公式サイトをご確認下さい |
公式サイト | https://www.teien-art-museum.ne.jp/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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