古代エジプト美術館(渋谷)
※本記事にはミイラの写真が含まれますので、閲覧にはご注意ください
アバンギャルドな街、渋谷で既存の博物館や美術館のイメージを覆すツアー型の展示を行っている「古代エジプト美術館」。証券マンである菊川匡氏が本業の傍ら、約1,000点以上の考古美術品を集めて開館させた。どれも科学的分析を実施し、本物のみを扱っている。 ファッション、土器、命などをテーマに年に3回、各100点ほどの企画展を実施。
タワーレコードの斜向かいに立つ商業ビルの8F。しかし、一歩足を踏み入れれば、そこは探検家の活躍が華やかだった20世紀初頭のイギリス。発掘隊の出で立ちで現れるスタッフ。美術鑑賞というより、アトラクションに参加したみたいだ。来館者はまず、アドバイザーでエジプト考古学の世界的権威、ロバート スティ−ブン ビアンキ博士の解説映像で予習。ビアンキ氏は元ブルックリン美術館の学芸員で、同美術館の所蔵品の検証や見解も担当しているという。
その後、古代人に扮した専属ガイドとともにミステリーツアーに出発! 展示室は全部で3室。最初の部屋は発掘小屋をイメージ。ハヤブサの頭をしたホルス神のレリーフや黄金のマスクなどいろいろあるが、目玉はミイラ。ホラーとしてのドキドキ感と、数千年を経てなお存在できる当時の技術力を目の当たりに。
神殿ギャラリーでは、日本唯一であるプトレマイオス朝時代の円柱の一部がお目見え。企画展の内容によって、神やファラオの像、先王国時代の土器、新王国時代のネックレスやイヤリング、ミイラの臓物を防腐処置して入れたカノポス壺などが棚に並ぶ。学術的に貴重だが見た目は石のかけら…といったものは皆無で、どれも美しい。「美術品としても価値の高いもの」を基準に収集する菊川氏。館名も博物館ではなく美術館としている。
最後の玄室(墓)ギャラリーへは、ガイドなしで各自が懐中電灯を持って向かう。天井が低く、暗室の中で木棺や副葬品、冥界の神オシリスの像などが浮かび上がる。ピラミッドや王家の谷を訪問しているような臨場感たっぷり。壁には扉付きの棚があり、探して開けて歩くのはちょっとした探検気分だ。
決して広くはないが1時間は確実に過ぎる。ガイドが面白いのだ。「このお守りは何を表しているでしょうか? 今でも身近にあるものです」といったクイズがポンポン飛び出し、解説には「へぇ〜」と唸る古代人の価値観も多々。遠巻きでいても容赦なく指名されるから、自然と考古品の魅力にひきこまれてしまう。面白楽しく、気付けば古代エジプトの知識も頭に入る。テーマパークのようなこの館、一度来て損はない。
名称 | 古代エジプト美術館 |
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所在地 | 渋谷区神南1-12-18 メゾン渋谷8F |
電話番号 | 03-6809-0718(開館日のみ) |
料金(税込) |
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営業時間 | 12:00〜18:00(最終入館は閉館30分前まで) ※貸切は開館日10:00〜12:00、19:00〜21:00(開館日以外は応相談) |
休館日 | 月〜木、年末年始、展示替え期間 |
アクセス | JR「渋谷駅」徒歩8分 |
公式サイト | http://www.egyptian.jp/top.html |
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