木材・合板博物館(新木場)
新木場駅から歩いて10分弱。ランドマーク的に建つ新木場タワーにある「木材・合板博物館」。林業の再生、木の特性の普及などを目指し、2007(平成19)年に開館した木に関する専門博物館だ。合板の仕組みや接着剤なども紹介しており、建築業界や森林組合の研修などにも活用されるマニアックな展示がユニーク。
まずは3Fの展示室からスタート。入口付近の「森の姿と樹種いろいろ」では森林の多様な役割が、次の「木のこといろいろ」では、木にまつわる多彩な情報が紹介されている。9種類の丸太の展示では、年輪や中心部の髄、用途を知ることができ、艶の有無や質感の違いなども触って実感。植え付け、間伐、主伐の一連の流れを示した「木の一生」の模型、炭・紙・和紙などの加工品、貴重な屋久杉や珪化木、住宅建築の際に用いられる継手や仕口加工など、雑学的な内容は多岐にわたっていて興味深い。日本で初めて合板を開発した浅野吉次郎のコーナーでは、開発の経緯をアニメで放映。木の種類により香り、重さ、音の違いを体感できる体験コーナーは、大人でも真剣にチャレンジしてしまう面白さだ。
木製地球儀“ウッドアース”を中心に広がるエリアは、「木材利用と地球環境」。酸素を排出する光合成の仕組み、二酸化炭素削減に林業の活性化が必要になる経緯などをパネルで解説していく。光合成は、水中の杉の葉に酸素の粒が付く状況をモニターで実況観察。間伐を行って、日当たりなどを管理した人工林が光合成を活発化させ、二酸化炭素を削減させること、間伐材の合板利用が環境保護につながる流れなどが把握できる。
「合板を知ろう」では、製造法、種類、使われ方などを解説。丸太を大根のかつら剥きのように薄く剥いた板(単板)を縦と横に交互に貼り合わせて作る合板の仕組みは、理にかなっていて思わず頷いてしまう。色々な合板の実物が並べられ、接着剤の種別も説明。展示の目玉である、丸太を剥く合板製造機の小型実働模型「ベニヤレース」は、週2回実演も。ニョロニョロと延びる木の板が面白く、必見だ。
「木のまちの今と昔」は木場の歴史。江戸時代の材木商の模型、昭和49年に木場で木材業に関わっていた人々の様子を映した映像、今昔の木材加工道具などが並ぶ。
4Fはシアター、木工体験や関連書籍が並ぶ実習エリア。木のおもちゃで遊べるスペースや、建材メーカーなどのパンフレットが用意されている。
学校の机、洗面台、ドア、プロペラなど、実は生活のそこかしこで活躍している木材・合板。体験や工作などで楽しく触れながら、日本の林業や環境問題などの課題にも心を傾けてみたい。
名称 | 木材・合板博物館 |
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所在地 | 江東区新木場1-7-22 新木場タワー3・4F |
電話番号 | 03-3521-6600 |
料金(税込) | 入館無料 |
営業時間 | 10:00〜17:00(最終入館は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜、火曜、祝日、年末年始 |
アクセス | 有楽町線、京葉線、東京りんかい高速鉄道「新木場駅」徒歩7分 |
公式サイト | https://www.woodmuseum.jp/wp/ |
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