TEPIA先端技術館(外苑前)
神宮球場の隣に立つTEPIA先端技術館。建築家、槇文彦氏が設計した鋭角的な建物の中には、次世代の技術や製品が並ぶ。
先端技術に特化するため、展示物は年度単位で入れ替え。日本の企業や団体の製品をレンタルしたもので、約半分程度は実際に体験できるのが魅力。1Fでは、[1]今、注目の技術分野「テクノロジーパスウェイ」、[2]社会的課題とそれに取り組む先端技術「テクノロジーショーケース」、[3]体験エリア「テクノロジースタジオ」に分けて紹介。取材時は2016(平成28)年度の展示で、[1]は、生物の優れた機能や構造を模倣した「バイオミメティクス」。夜行性の蛾の目の構造をベースに開発された反射抑制透明フィルム、フクロウが持つ風切り羽根から考案されたトンネル突入音の小さい500系新幹線のパンタグラフ、トゲトゲのあるネコの舌をヒントに埃を突起でならして固い毛玉にするサイクロン掃除機など、動物や虫の生態が見事に製品として形になっているのが面白い。技術は言うまでもなく、人間の発想力やアイデアにも驚く。
[2]は、「人類をとりまくさまざまな制約を超える技術」で、時間・空間、身体、自然の3つの制約に取り組む製品が並ぶ。ニュースでお馴染みのドローン、患者自身の軟骨細胞を培養してつくった人工軟骨、ミドリムシを使った食品といった既に実用化されているものもあるが、赤道直下の海上につくる浮島の人工都市や10万kmのケーブルで結ぶ宇宙エレベーターなどは、見る方の想像力もフルパワーに。映画やアニメの未来都市のイメージが一気に現実味を帯びてくる。
[3]は、先端技術を生かした製品や、日本のものづくり技術の高さを実際に体験。目の錯覚を利用して静止物を動いているかのように見せる「変幻灯」で笑うモナ・リザを鑑賞したり、「天女の羽衣」と名付けられた極軽量のファッション織物に触れたり…実際に試してみると、モヤモヤとした想像の域にあった仕組みや技術の内容が飲み込めるようになる。じっくり体験していると1時間なんてあっという間だ。
1Fの奥にはワークショップエリア、2Fにはロボットの原理を解説したラボがあり、週末を中心にプログラミングや顕微鏡での生物観察、3Dプリンタ教室などのイベントを開催。
各分野のニュースやEXPOなどから情報を集めて、毎年の展示テーマを決定しているが、ロボット、ウェアラブルコンピュータ、自動車、遠隔操作などの分野は注目されやすいとか。現代社会が抱えるさまざまな課題に対応した技術の粋を、見て体感できるショールーム的な博物館だ。
名称 | TEPIA先端技術館 |
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所在地 | 港区北青山2-8-44 |
電話番号 | 03-5474-6128 |
料金(税込) | 入館無料 |
営業時間 | 10:00〜18:00(土日祝は17:00まで) |
休館日 | 月曜(休日の場合、翌平日)、展示替え期間(年度末) |
アクセス | 銀座線「外苑前駅」徒歩4分 |
公式サイト | http://www.tepia.jp/exhibition |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。