メゾン・ランドゥメンヌ麻布台(麻布台)
飯倉片町の交差点近くにある「メゾン・ランドゥメンヌ麻布台」。パリで現在16店舗を展開する実力派ブーランジェリーの日本一号店として2015年にオープン、2018年には赤坂に二号店も誕生した人気店だ。経営は、フランスで修業を積んだパン職人の石川芳美氏と、フランス人パティシエのロドルフ・ランドゥメンヌ氏の、夫婦二人三脚。パン職人とパティシエ双方のテクニックを活かしたパンとスイーツが特徴で、特に自慢のクロワッサンは、東京随一との呼び声も高い。シンプルに本場の味・雰囲気を追求するひたむきさに加え、石川氏考案のパン「デザートハード™(甘いハード系パン)」など、オリジナリティへの探求心も愛される理由だろう。
グレーの落ち着いた外観にアンティークテイストの照明、開放感溢れるテラス席、そしてガラス越しに見える美味しそうなパンの数々。お店の一帯だけ、急にパリの街角に迷い込んだような空気感が漂う。
店内では、入口すぐ右手の陳列棚にバゲットからヴィエノワズリー(お菓子パン)、サンドイッチ類までズラリと並ぶが、オープンの朝7時までにはほぼ全種を焼き上げ客を迎え入れるのだとか。そして、向かいのガラスのショーケースには、クレーム・ブリュレやエクレアなどのスイーツも常時20種程度スタンバイ。「パンの方を注目されることが多いのですが、スイーツも自信があります。ぜひ皆さんに味わってほしいです」と店舗責任者の鈴木氏。これがパン職人とパティシエ二人三脚店の大きな魅力の一つともいえる。
併設する工房で毎朝仕込むパンは約50〜70種。その内、看板商品のクロワッサンは午後3時頃に、バゲットは売切れ次第こまめに焼き上げ追加される。
最も人気の「クロワッサン・フランセ 480円」は少々お高めな値段設定だが、サイズは一般的なクロワッサンの1.5倍はあるだろうか、現地サイズで食べ応え十分だ。フランス政府が品質を保証した食材にのみ許可される、原産地呼称(AOP)を持つ高級発酵バター「レスキュール」を使ったフランセは、リッチな甘みが特徴。また、「バターが冷たいうちに均一に生地に折り込むことにより、クッキリ美しい層が出ます。手早くしないとバターが溶けてしまうので、テクニックが必要な工程です」というように、高い技術に裏打ちされた生地のクオリティが、噛んだ瞬間のサクパリの食感と濃厚な風味の、絶妙なコントラストを生み出している。
一方、「クロワッサン・ジャポネ 250円」はフランセと全く同じ工程でつくられるが、国産の発酵バターを使うことでややあっさりとライトな口あたり。日本人にあった食べやすさから、ジャポネの固定ファンも多いという。お値段もフランセに比べお手頃なので、日常使いに重宝しそうだ。バターの違いだけでこれほど味わいに差が出るという驚きを、ぜひ食べ比べて感じてほしい。
「パン・オ・ショコラ 300円」は、クロワッサン生地にフランスの有名チョコレートブランド「カカオバリー」のバトンショコラをはさんだ、パリでも定番人気のヴィエノワズリー。生地の軽さと濃厚なチョコレートのバランスが良い。同じチョコレート系でもバゲット生地にたっぷりチョコレートを練り込み、さらにチョコチップをまぶした「パン・オ・カカオ 350円」は全く違う印象なのが面白い。どっしりと重量感があり、噛めば噛むほど小麦とカカオの風味が広がり、ワインにも合いそうだ。また、天然酵母を使用したバゲット「トラディション 220円」は、外側はパリッと、中はもっちりとした食感。酵母由来の酸味と小麦の深い味わいが楽しめる伝統的なバゲットで、1/2サイズからでも購入可能。「バゲットにももう一種、パリで最も愛されるオーソドックスな『バゲット 180円』がありますので、1/2ずつトラディションとの食べ比べはいかがですか」と鈴木氏が楽しみ方を提案してくれた。
麻布台店では、ゆったりとしたイートインスペースでモーニングとランチも楽しめる。7時〜9時半のモーニングタイムには、「自然卵のオムレツドリンクセット 550円」「自然卵のスクランブルエッグドリンクセット 550円」「フレンチトーストドリンクセット 480円」など5種を用意。セットドリンクは全てお替り自由で、オプションでサラダやヨーグルトなどを追加することもできる。人気は山口県にある「秋川牧園」の卵を使ったメニュー。「良い卵をずっと探していて、秋川牧園さんに出会いました。有機肥料で育てられた卵は、黄身がしっかりしていて味わい深いんです」と鈴木氏。確かに、しっとりベルベットのような舌触りのオムレツは、何もつけずに食べてもコクが際立っている。
ランチタイムは、なんとパンが食べ放題。「日替わりおすすめランチ 1,000円」など人気のプレートと共に、ハイクオリティのパンを心置きなく味わえる。
1ヵ月に1回のペースで、2〜3種の新作を投入するという同店。また、今後は米粉を使ったパンや、ビーガンメニューの開発も予定しているのだとか。パリ、日本でも人気を不動のものにしながら、常に前進し続けるチャレンジ精神が、ファンの心をつかんで離さない。パリのブーランジェリーで本場のパンを頬張る――そんなパン好きの夢をすぐ近くでひたむきに叶えてくれる、貴重なお店だ。
名称 | メゾン・ランドゥメンヌ麻布台 |
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所在地 | 港区麻布台3-1-5 |
電話番号 | 03-5797-7387 |
営業時間 | 7:00〜19:30(モーニング7:00〜9:30、ランチ11:30〜14:00) |
定休日 | なし(社員研修日などの定休日や短縮営業日は事前告知) |
公式サイト | https://www.maisonlandemainejapon.com/ |
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