白豚と比べ、生まれる子豚の数は半分、生育期間も長い。その稀少性と風味から豚肉界では別格扱いの“かごしま黒豚”。鹿児島県アンテナショップの2Fにある「遊食豚彩いちにいさん 日比谷店」には、このプレミアムな黒豚目当ての近隣ワーカーや観劇帰りの客が詰めかける。

かごしま黒豚専門店として、黒豚の美味い食べ方を追求した結果、余分な脂が落ち旨味が際立つ“しゃぶしゃぶ”に行き着いた。鹿児島で蕎麦屋も営む同店は、つけダレにそばつゆを用い、朝打ちの更科そばで締める独創的なメニューに仕立てている

店の一押しをランチでも！と考案された「黒豚しゃぶそばセット」は、鰹ベースの温かいだしに蕎麦と黒豚のしゃぶしゃぶが同居。喉越し良い蕎麦とプルプルした豚肉の好相性に箸が止まらない。店長の「かごしま黒豚は肉質がきめ細かく柔らか。脂身も甘いです」という評価通りの味と出会える。

夢中で蕎麦を平らげたら、セットの蒸し寿司も賞味。椎茸の甘煮を混ぜ込んだ酢飯に錦糸卵と海苔がトッピングされ、温かいちらし寿司といった感。蕎麦の後でも胃にすっと収まる。良質なものを、リーズナブルに、がっつり食べたい！――そんなわがままが叶うと、鹿児島が急に好ましく思えてくるのは現金!?

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1. 入れ放題の自家製薬味。下処理に一時間かけた白ネギは一切エグ味なし。ゆずが多めに配合されたゆず胡椒は、薫り高く辛さ控えめだ
2. かき氷の上に果物と餡子がのり、練乳がかかった「しろくま（税込800円）」。今や全国区となった鹿児島発の名物スイーツもココで。トッピングに旬のフルーツが使われるのは同店ならではの工夫

味付けの甘さに関東の人は驚かれますね（笑）

醤油をベースとした関東の味付けと比べると鹿児島料理は全体的に甘め。そもそも醤油が甘いので、うちでは鹿児島風と関東風の2種類の醤油をテーブルに用意しています。甘い調味の理由は諸説ありますが、サトウキビの産地であることが大きいでしょうね。殿様への献上品であった貴重な砂糖が近代以降に庶民の手に届くようになり、嬉しくてたくさん料理に使うようになった（笑）という説もあるようです。

コレぞ、ふるさとの味！ご当地で愛される品

末吉ゆず　ポン酢鹿児島で“柚子の町”と呼ばれる曽於市末吉町のゆず果汁を鰹と昆布のだしにたっぷり配合。酸味がきつすぎず、ゆずの薫り高さが際立つ逸品だ。鍋物、餃子、サラダに末吉ゆず　ポン酢　300ml 税込530円/（株）メセナ食彩センター