各国料理が稀有だった1970年代からスウェーデンを中心とする北欧家庭料理を提供している老舗。初めてさんにこそ試してもらいたいのが、定番のミートボール。子どもメニュー的なものを想像していたら大違い！

フィンランドの陶器ブランド「アラビア」の皿にミートボールが9個。玉ねぎの粒感が際立ち、まさに家庭で食べるような優しい味わい。ソースは、1日かけて作り上げたフォンをベースにデミグラスソースやベシャメルソースを混ぜたもの。喉越し滑らかながらお腹にしっかりたまるバランスの良い重さ。誰もがなじみやすい味だ。この料理に一番欠かせないというリンゴンベリー（コケモモ）ジャムを付けて再び口にすると、果実の微かな酸味と濃い甘味が肉の脂やソースに絡まって、また違った感じに。
シンプルな茹でジャガイモをご飯代わりにパクパクと食べ進めてしまうが、毎朝店で焼き上げる自家製パンとの相性もいい。温めてサーブされるから、モッチリした生地の美味しさを存分に味わえる。

ランチは、煮込みやグリルなどが出る日替わり、オリジナル料理のオバジンなど、全部で8種類。サラダランチ以外はたっぷりのサラダもついて、食べごたえ抜群。店内は、アートフラワーや北欧雑貨で装飾してあり、北欧の民家さながら。目と舌、二方向から異国情緒を楽しめる。

1. 伝統メニュー「チキンオバジン（税込1,000円）」は、スウェーデン在住経験のあるオーナーが考案したオリジナル。素揚げした米ナスの上に大山地鶏のソテーがのり、アンチョビクリームソースとゴーダチーズをかけて焼き上げたグラタンの一種だ。濃厚な味わいにアンチョビの塩気がナイスアクセント。ライス添えで食べるとドリア風に
2. 家具、絵画、ダーラナホースなどの小物に至るまで店内は北欧一色。開店当初から雰囲気を大切にし、店舗移転の際も雑貨の置き場所一つひとつを正確に再現したという
3. 小さな厨房で素早く料理を仕上げるキャリア20年のベテラン、遠藤芳男料理長。テイクアウトパーティメニュー（10人前・税込20,000円〜）もOKと、気合十分！