麻布十番商店街の最西端にある「ルポトローズ」。平日ランチは尾崎牛100%ハンバーグステーキ（税込1,500円）と、コースの2種類。旬の食材をエスプリの効いた一皿に変えてしまう本間寛シェフのマジックを堪能するなら、ぜひコースを選択したい。

この日は、新生姜のスープ、京都紅くるり大根のサラダ、トマトとバジルのパスタ、栃木豚のソテー・完熟パインのせの4品。スープはバター不使用でポタージュ仕立て、彩りが美しいサラダやパスタ、メインもパインの酸味で口当たりよく、軽やかな初夏のイメージ。南仏ハーブのトーストがおかわり自由で付く。

「梅雨時は高湿度で体調を崩す人も多いので、健胃作用のある生姜や消化酵素の豊富な大根を使ったメニューにしました」と本間シェフ。健康＝野菜の多用ではなく、客の体調を考えて季節野菜をアレンジしてくれるのがうれしい。午後の仕事や用事に支障が出ないよう構成を考え、お冷もレモングラスなどを使ったハーブ水で提供する徹底ぶりだ。

週末はデザート（税込400円）とコーヒー（税込300円）がコースに組み込まれるため、ゆったりとしたひとときが楽しめる。旬の食材と心遣いにあふれた一皿。英気を養いたいときこそぜひ味わいたい。

1. ディナーでは全粒粉で手作りしたパンを提供。手のひらサイズで手に取りやすく、小麦の香ばしさにあふれている
2. ダークブラウンとオレンジでまとめられた店内は、温かみがありながらも洗練された雰囲気。窓からは六本木ヒルズのタワーが眺められる
3. オーナー兼シェフの本間寛氏は、ホテル西洋銀座のオープニング、表参道ヒルズ「洋食ミヤシタ」の総料理長などを経験したベテラン。豊富な知識と技を生かしたメニューは美味しく体にも優しい