1976年に創業した赤坂の老舗洋菓子店「しろたえ」。特濃の味わいで異彩を放つ同店のレアチーズは看板商品。幾度かのチーズケーキブームもあり、熱烈なファンは未だ増え続けている。

サイズは小ぶり。しかし、一口食べるとこの大きさも納得する濃厚な味わいが口に広がる。酸味もしっかりあるため重い感じはせず、表面の生クリームが味にまろやかさをプラス。控えめな甘さは辛党にも好まれそう。
 2種類のデンマーク産クリームチーズを全体の9割近く使った贅沢な配合。水分率の高いものを、裏ごしせず空気を含ませて混ぜる。混ぜすぎると粘りが出て甘味が強く感じられるので、ほどほどで止める塩梅が難しいのだとか。
 土台のビスケットは専用に焼き上げたもの。バターを多く使った生地を用い、時間が経ってもサクサク感が生きるように仕上げるという。

3階のキッチンで専属スタッフが作るため、補充も頻繁で閉店間際でも売り切れは稀だが、確実入手には予約や取り置きがオススメ。生ケーキから焼き菓子に至るまでどれも気取らない値段なのも魅力。チーズレモンパイ、ショコラレーヌなど、あれこれ試したくなること請け合い。

1. 定番を中心に生ケーキは約30種類。基本に忠実に3層の生地と2種のクリームで作るサンマルクはほろ苦い。フランボワーズはバタークリームの中にスポンジ、その中にチェリーが潜む多層構造。マドレーヌやダックワースなどの焼き菓子は100円台からと、詰め合わせもリーズナブル
2. 柔らかなシュークリームは、洋酒の風味漂う大人味。取引先への差し入れに使われることも多く、数十個単位の予約が入ることもしばしば。16時前後で売り切れるため、夕方以降は取り置き必須だ
3. 創業当時から変わらない包装紙。店名ロゴと牧歌的な女性のイラストは、オーナーの妹が“フランス・アルザス地方”をイメージして描いたもの
4. 1Fは15席、2Fは18席あり、イートインも可能。松本家具製のテーブルやイスを用いた趣ある喫茶室は、昼から夕方まで混み合い、土曜は待ち時間が発生することも