井原宏蕗(2017年岡本敏子賞) 「die-dye-red」

岡本太郎記念館(南青山6-1-19)

  • 2017/9/28(木)
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井原宏蕗(2017年岡本敏子賞) 「die-dye-red」

 2017年の岡本太郎現代芸術賞で、岡本敏子賞を受賞した井原宏蕗(いはら・こうろ)の特別展示が開催中。

 展示室の一角でまず目に飛び込んでくるのは、ゴツゴツとした朱色の犬と、太陽の塔の顔。これらの作品はなんと、“犬の糞”と“カイガラムシの死骸”でそれぞれ出来ている。井原は、動物の糞、食べ物、巣などの生き物の痕跡を使い、それらを漆や鋳造などの伝統的な手法で彫刻に昇華する作家で、生々しい命と、時を超える普遍的な存在という、一見相容れない要素を独自のアプローチで並立させている。

 今展では特に、岡本太郎が好んだ赤色に着目し、「cycling -red dog-」を朱漆でコーティング。汚いものと忌み嫌われる排泄物に、あえて高級で伝統のある朱漆を重ねる事で新たな印象を生み出している。また、太陽の塔を模した「will be red -carmine-」は、食用着色料に使われるカイガラムシを素材にすることで、日々の食や生命の循環を可視化している。
 他にも、カイガラムシが分泌する天然樹脂を使った作品や、ツバメの巣をそのまま窯で焼成した作品など、唯一無二の世界観が展開する。

 10月5日(木)19:00〜は本人によるアーティストトークも開催される。

会期は10月9日(月)まで。火曜休。時間は10:00〜18:00。

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