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シルケ・オットー・ナップ 「スミレ」

シルケ・オットー・ナップ 「スミレ」
タカ・イシイギャラリー東京(六本木6-5-24 complex665 3F)

2018/9/12(水)
 ドイツ出身で、現在ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、シルケ・オットー・ナップのタカ・イシイギャラリーでは3回目の個展。

 シルケの作品は一見すると、黒板に白いチョークの腹を滑らせ描いたような独特の質感を持っているが、これはキャンバスにのせた水彩絵の具を何回も溶かし広げ、最後に筆などで色を拭い取りモチーフを表出させるという、珍しい手法が使われている。
 透明と不透明が混在し、ぼんやりと輪郭が浮かび上がる絵画には、不思議な存在感と包み込まれる安心感の両方が共存している。

 今展でシルケが構想の出発点にしたのが、同じくドイツ出身の芸術家クルト・シュヴィッタース(1887〜1948)だ。ダダイズム、構成主義、シュルレアリスムなどの近代芸術運動に参加し、多様なメディアで作品を発表してきたシュヴィッタース。その中でも、構成主義の合理性・機能性に着目した、どんな脚本にも対応し得る舞台デザイン「ノーマルビューネ」が、今展の大作「Stage (After Schwitters)」に最も反映されている。
 円、長方形などの抽象的なデザインが、シルケのアプローチで多層的な可能性を示唆してくれる。

会期は10月6日(土)まで。日月祝休。時間は11:00〜19:00。