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小林正人「画家とモデル」

小林正人「画家とモデル」
シュウゴアーツ(六本木6-5-24 complex665 2F)

2019/6/4(火)
 絵画の幅を広げることを追求し、形や道具に囚われない独自の制作をするアーティスト小林正人(こばやしまさと)。小林にとって作品は孤立した物体ではなく、この星の時空間に存在する絵画だという。その一つの答えとして90年代に長方形の枠を飛び出し、キャンバスを張りながら直接手で描くという、絵画の魂と肉体を一つに合わせるような方法論を創出した。

 本展では「画家とモデル」というハッキリとした二つの対象が存在するが、従来の「見る、見られる」「描く、描かれる」という両者の関係性とは全く違う、共同制作者としての視点が表現される。
 画家の象徴である馬に女性がまたがり、駆け巡る姿が描かれた何枚ものドローイングは、まさにその関係性を象徴しているように見える。しかし、メインとなる実際の大型作品には、後ろ向きに横たわり心臓を撃ち抜かれたモデルと、筆を咥えてジッとこちらを見据える馬、それぞれが単独で描かれ二つが交わることはない。両者の関係性は謎に満ち、決してハッピーエンドを迎えるものとも限らないが、その過程のなかで画家は現実と画を生き抜き、過去も現在も統合し美を結実させようとしている。

 会場には、その謎を解くカギになりそうな作品も展示されているので、自身の目で小林の時空間に存在する画家とモデルを見つけてみては。

【会期】6月1日(土)〜7月6日(土) 【休廊日】日月祝 【時間】11:00〜19:00