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クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime

クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime
国立新美術館

2019/6/11(火)
 現代のフランスを代表する作家クリスチャン・ボルタンスキーの、50年に渡る活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展がいよいよ開幕。
 集団や個人の記憶、そして宗教や死を主題に、映像、写真、書籍、日用品といった多様なメディアを用いて作品を発表するボルタンスキー。本展では、初期の作品からこの展示のために制作された最新作までを年代に関係なく配置し、一つの大きな作品のように空間インスタレーションで魅せる。

 「DEPART(出発)」の青白い光で始まる薄暗い展示室内には、ドクン、ドクンと心臓音がこだまする。それに共鳴するように明滅する光や、どこからともなく吹く風で揺らめく影、電球の明かりの下ぼうっと浮き上がる人物の顔、大量の古着のかすかな匂いなど、空間からは確かな生命の痕跡や人間の記憶を強く感じる。それと同時に、今にも全ての音や光が沈黙してしまいそうな、“終わり”の気配にもピタリと寄り添われ、死への不安と母親の胎内にいるような安心感の両方が入り混じる、不思議な感覚に侵食されていく。

 「この展示は、観る人それぞれの人生を映し出す鏡です。まずは、自分自身の思い出や、哲学的な考察に身を任せて展覧会を楽しんでください」と、プレス内覧会に登場したボルタンスキー氏は語った。

【会期】6月12日(水)〜9月2日(月) 【休館日】火曜 【時間】10:00〜18:00(毎週金・土曜は、6月は20:00まで、7・8月は21:00まで)