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話しているのは誰? 現代美術に潜む文学

話しているのは誰? 現代美術に潜む文学
国立新美術館

2019/8/27(火)
 国内外で活躍する日本の現代美術家6名(北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子)の、「文学」をテーマにしたグループ展がスタート。

 文学といっても書物を展示するわけではなく、作品のうちに文学の要素が色濃く反映された写真、映像、インスタレーション、立体などが、それぞれの物語を持って提示される。
 例えば、展示室の最初を飾る田村友一郎は、実際には存在しないものを見たと認識してしまう「空目」と、「上方からの視点」という二つの視覚に関わる新作インスタレーションを発表。ハンバーガーチェーン店のコーヒーやマドラー、ナンバープレート、櫂、空間に響くナレーションなどが相互に補完しあい、次々に物語が派生していく。
 また、沖縄出身で、これまで故郷における米軍基地や戦争の問題を掘り下げた作品を制作してきた山城知佳子は、移設問題に揺れる辺野古に住む2組の家族を描いた映像作品を発表。埋め立て用の土砂を採掘する鉱山で働く父親が突然歌い出すオペラ、それに応えるように唐突に始まる母親の琉歌、そして、長年この地に住む老人が、沖縄独特の家屋で食べるアメリカナイズされた食事など、いびつな沖縄の現状と複雑な気持ちを、絶妙なテンポと比喩で描き出す。

 6人の作品に耳を澄ませ、どんな物語が聞こえてくるのかを探ってみよう。

【会期】8月28日(水)〜11月11日(月) 【休館日】火曜(10月22日は開館)、10月23日 【時間】10:00〜18:00(金・土曜は、8・9月は21:00まで、10・11月は20:00まで)